1,800円以上の注文で送料無料

花の慶次 ―雲の彼方に―(新装版)(10) ゼノンCDX
  • 新品
  • コミック
  • コアミックス

花の慶次 ―雲の彼方に―(新装版)(10) ゼノンCDX

原哲夫(著者), 隆慶一郎(原作)

追加する に追加する

花の慶次 ―雲の彼方に―(新装版)(10) ゼノンCDX

715

獲得ポイント6P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 コアミックス
発売年月日 2021/01/20
JAN 9784867202173

花の慶次 ―雲の彼方に―(新装版)(10)

¥715

商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2021/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前にも書いたが、やはり、私は、「佐渡攻め編」が特にグッと来る。他のエピソードも激熱ではあるんだが、何編が好きか、と聞かれたら、迷いなく、この「佐渡攻め編」が浮かぶ。 そう感じる理由を挙げればキリはないのだが、やはり、断トツとなるのは、前田慶次と共に河原田城を落とすべく、粉骨砕身の覚悟で戦い、命を燃やし尽くすようにして逝った蛮頭と雪之丞の存在だ。 藤田和日郎先生の作品と同じく、原哲夫先生の作品は、登場人物の死に様で、読み手の心を揺さぶってくる。 歴史に名を刻んでいる豪傑が参加した戦いでは、大虎たちのような、誰も知らぬ、けれど、豪傑らとの間に確かな絆を結んだ男たちの生と死があったのだろうな、と思わせてくれるのだ。 巨体に見合った怪力で戦っていた中で、蛮頭が敵兵に胸を槍で貫かれ、深手を負ってしまう。その際、前田慶次が、自分は死ぬのだろうか、と尋ねた蛮頭に、はっきりと「死ぬ」と告げたくだりはグッと来る、特に。 残酷じゃないか、と思う人もいるだろうが、私は、これは前田慶次の優しさであり、そして、励ましのように感じた。むしろ、死なない、なんて安っぽい慰めをしていたら、蛮頭は、大きな体に見合ったデカい魂を真っ白になるまで完全燃焼させる事は出来なかったはずだ。 どうせ、おっ死ぬのならば、仲間の為に、主君の為に、自分の目標だった兄の為に、そして、こんな自分を活かしてくれた前田慶次の為に、と最期の最期まで、全力疾走し、一度も倒れぬまま、漢立ちで逝った蛮頭は立派だ。きっと、あの世で、兄・信忠が全力で褒め称えているだろう。 そんな蛮頭に引けを取らないほどの死に様で、私の心を揺さぶり、泣かせに来たのが雪之丞である。 前田慶次と兵部のおかげで一皮剝けたからこそ、雪之丞は、子供らを守るために自分の体を躊躇いなく、盾にして守る事が出来たんだと思う。自分の詰めの甘さを省みながらも、泣きじゃくる子供たちから「殿様」と呼んで貰いながら逝った彼の顔に、後悔の色は全く無く、実に安らかだった。 大虎と雪之丞の骸を運んで進む前田慶次らの姿を見て、心から奮闘を讃えた上杉の兵士らを前にした将らが鐙を一斉に外したシーンは、この『花の慶次‐雲のかなたに‐』でも屈指の名シーンだ、と私は確信している。 この台詞を引用に選んだのは、前田慶次の男ぶりに、ほんと、グッと来てしまうので。 厳しい言葉の方が、時に、すべき事に迷っている部下の背中を強く叩き、前に進ませ、潜在能力を覚醒させる事がある、と教えてくれていないだろうか、この名言は。 前田慶次ほどの豪傑に、ここまで言われて、火事場のバカ力を発揮できなかったら、男として恥ずかしいほどだ。 また、後で前田慶次が発す、「殺すもまた情と知れ! 死すべき時に死ねぬは辛き事よ」に厚みを与えており、そこも勉強になった。 「ま・・・前田殿・・・わ・・・わじ・・・死ぬのかな?」 「ああ」 「・・・そ・・・そうが・・・・・・前田殿・・・わ・・・わじはどうじだら」 「お主も駆けたかったのだろう・・・いくさ場を晴れやかに、そう・・・お主の兄のように」 「何も考える事はない。好きなようにするさ・・・そして、駆けるだけ駆けたら死ぬさ」 「け・・・慶次殿・・・」 「さあ、晴れやかに行け!!そうであらねば、いかなる面をぶら下げて、冥土の兄に目見ゆる気か!!」(by蛮頭、前田慶次) もう一つ、この(10)で、私の心に響いた名言を紹介したい。 こちらもまた、前田慶次の器は、どれほど大きいのか、と読み手をぶるっとさせる名言だ。 この『花の慶次‐雲のかなたに‐』に登場する忍びで、最も優れているのは誰かと言ったら、冗談抜きで、骨だ。 残酷な話だが、捨丸や岩兵衛では相手にならない。当然だが、主馬もアウトだ。風魔の小太郎や服部半蔵で、何とかなるってレベルじゃないだろうか。 それほどまでに凄まじい実力と、それが培われるだけの人生を歩んできた骨すら胸襟を開いてしまうのだから、やはり、前田慶次はデカい。 「私をお斬りになりますか?」 「ふ、俺は一度、信じた男は斬らぬ」 「!!」 「疑って安全を保つより、信じて裏切られた方が良い」(by骨、前田慶次)

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品