続・プロフェッショナル経営者とバイアウト 日本企業のバイアウト

日本バイアウト研究所(編者)

• 販売会社／発売会社: 中央経済社
• 発売年月日: 2020/12/22
• JAN: 9784502371813

商品レビュー

2024/07/21

とりあえず興味のある箇所を拾い読みした

まず、小規模な事業承継を中心にバイアウト・ファンドによる買収案件がかなりの数あることに認識を新たにした

そこに送り込む人材は、過去の案件などの伝手を頼って探したり、ファンド内部の人材プールからだったり、転職エージェント経由だったりする。バックグラウンドはコンサルタント、商社、金融など。事業会社の場合は外資などすでに複数を渡り歩いて経験を積んでいる場合が多い

ファンドはエグジットは目標なので経営の目線は比較的短期になるが、経営者として成功する要素の最大公約数は会社を理解して従業員と方向性を合わせること

経営委任契約の実務に触れられているのも実践的でよい

2021/05/29

日本企業のバイアウトシリーズ。これは2020年12月発行。

感想。いろいろな方のお話が詰まっていて、大変参考になった。

備忘録。
・バイアウトファンドは、利益額の向上と利益率の向上によってEBITDAの増加を求める。これは企業が過去と同じことをしていては実現できない。今までと違う施策を実行し、変革を求める必要がある。

・プロ経営者へのインタビューを通じてまとめた、求められる資質。①やり抜く力、②経験から学び抜く力（失敗を通じた成長）、③人が好きであること、④高度なコミュニケーション能力、⑤数字を読む力、⑥環境適応力

・企業の方向性を確立し、財務会計数値の見える化、中期経営計画と予算の策定、ビジネス課題とその解決方法の明確化、ガバナンスの強化、人事制度・評価制度の確立を通じて、PDCAを回していく。

・失敗するのは、人間関係で着地できず結果が出ないパターン。そうならないように、「私は味方であり、皆さんと一緒に汗をかいてこの企業を立派にしていきたいと考えている」といったメッセージを何度も送ることが重要。

・稲盛和夫氏のJAL従業員へのメッセージ。「株主のためでも、管財人のためでもない。全従業員の物心両面の幸福の追求、この一点を経営の目標に昇華して、再建に取り組みたいと思います。そのため、経営情報は全てオープンにします。」

・如何にリーダーシップや想いを、現場に伝わるように噛み砕いて落とすかを考えて、会議の前には社長とディスカッションしてから臨む。

・マネジメントやコミュニケーションの仕方は、会社の規模で違ってくる。自分で手を動かすべきか、我慢して手を動かさないかとかも。

・どういう事業を誰とやるの？がバイアウトの成否を握る。らしい。