商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | スイッチ・パブリッシング |
| 発売年月日 | 2020/12/01 |
| JAN | 9784884185435 |
- 書籍
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死ぬまでに行きたい海
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死ぬまでに行きたい海
¥1,980
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商品レビュー
4.2
75件のお客様レビュー
作品紹介・あらすじ 焚火の思い出、猫の行方、不遇な駅、魅かれる山、夏の終わり。“鬼”がつくほどの出不精を自認する著者が、それでも気になるあれこれに誘われて、気の向くままに出かけて綴った22篇。行く先々で出会う風景と脳裏をよぎる記憶があざやかに交錯する、新しくてどこか懐かしい見聞...
作品紹介・あらすじ 焚火の思い出、猫の行方、不遇な駅、魅かれる山、夏の終わり。“鬼”がつくほどの出不精を自認する著者が、それでも気になるあれこれに誘われて、気の向くままに出かけて綴った22篇。行く先々で出会う風景と脳裏をよぎる記憶があざやかに交錯する、新しくてどこか懐かしい見聞録。 ***** 出不精の著者がそれでも気になって出かけていった先の見聞録。割と近場、というか著者の思い出の場所が多い。いつものように虚実入り乱れた場面もあり、今回は現実世界と著者の記憶が微妙に入り混じった世界がほんの少しだけ展開される。ところがこのほんの少しだけ展開される世界が僕なんかはとても怖い。思い返してみると、岸本さんのエッセイって結構虚実入り乱れた場面が展開されるのだけれど、そのどれもが僕にとってはかなり怖い雰囲気を醸し出していた。今回は、特に「経堂」という最後に収録されていた作品が物凄く怖かった。勿論この虚実入り乱れた場面は本書のメインではないのだけれど。
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- ネタバレ
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全体的に淡々としていて感情表現少なめ。移動してゆくその情景を描写しているだけの文章が多いのに、しみじみと心象まで味わえるような余韻が感じられるのは何でなのだろう。 それが岸本さんの文章のうまさなのか、うまいというより書き方の癖と言うか妙なのか、感性のきらめきのようなちょっと繊細な思い出の味わいの強さなのか。 行ったこともないどこなのかも知らない情景なのに読んでいくと何となくその場所がどんなところなのか目に浮かぶような感じになります。 地球が宇宙とじかに接していることがわかってしまって恐ろしかった(p83) オレンジ色のカーテンが暖かく輝いていて、きっとあの向こうでは素敵な団欒が営まれているのだと想像した(p180) 幼児や学生の頃、歩いていたら自分もそんなふうに思っていたことがあったなぁと懐かしくなりました。 そういう細やかな感性をどこに置いてきてしまったのか⋯と考えたら、車に乗ってどこ行くのもドアトゥドアの生活をするようになってからだと気づきました。 岸本さんはもういい大人なのに(?)子供の頃に感じたことをこうして表現できる記憶力と表現力が羨ましくもあり尊敬もします。 公園の鳩を追いかけて近くの人に鋭い目で見られている話がでてきて(p91)自分も鳩が群がっていると追いかけずにはいられなかった20代の頃を思い出しました。アレそういう発作だったのだろうか⋯ 義務教育の六年間を振り返り、自分のことを笑い袋と表現されているのを読んで(p61)その表現に思わず吹き出してしまったけれど、そんなふうに学生の頃を思い起こせるというのは実は幸せなことだよなとしみじみ思いました。(自分は高校生活は暗黒時代だったので) 読んでいると岸本さんと子供の頃のお互いの思い出を他愛なく話してみたいなんて思ってしまいました。 この世に生きたすべての人の、言語化も記録もされない、本人すら忘れてしまっているような些細な記憶。そういうものが、その人の退場とともに失われてしまうということが、私には苦しくて仕方がない。(中略)ぜんぶ宇宙のどこかに保存されていてほしい。(p88) 両親がいなくなって二人のことは自分が覚えているけれど、自分がいなくなったらその後は誰が私を覚えていてくれるだろうと考えるような年齢になってきて、岸本さんのこの言葉が胸をつき、結構切実に染みました。 岸本さんがスマホで撮ったという写真が各章ごとに挿入されており、これも中々味があってとても良いです。凝ってない、素人写真だからこそのニュアンス。 本当はこの写真を元にイラストにして挿入される予定だったけれど、原稿の上がりが遅くて写真をそのままに使うことに、というウラ話が後書きにありクスリ。 いや、結果オーライなのでは(笑) ご本人の撮った写真が文章を一層楽しく読ませてくれました。 心が柔らかくなるような良い読書だった。
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ずっといつか読みたいと本棚に眠らせていてやっと読んだら、期待していた反動なのかもしれないけど、全然おもしろく読めなかった。この本が悪いわけじゃなくて、自分が他人に興味がない時期なのかもしれないと思った。
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