商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2020/10/29 |
JAN | 9784560072127 |
- 書籍
- 新書
まっぷたつの子爵[新訳]
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まっぷたつの子爵[新訳]
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
晶文社版でも岩波文庫でも読んできた「まっぷたつの子爵」。今度は新訳で読むことができた。なぜか記憶ではほのぼのした雰囲気があったような気がしていたが、結構エグい話だなと再認識。最近読んだ、井上ひさし「ボローニャ紀行」に、この作品のツボが書かれていると思ったので引用する。現地の商工会...
晶文社版でも岩波文庫でも読んできた「まっぷたつの子爵」。今度は新訳で読むことができた。なぜか記憶ではほのぼのした雰囲気があったような気がしていたが、結構エグい話だなと再認識。最近読んだ、井上ひさし「ボローニャ紀行」に、この作品のツボが書かれていると思ったので引用する。現地の商工会議所の副会頭が言った言葉である。「みんな人間、だから汚いこともやります。けれども自分は汚いと自覚するところがまさに市民的な徳というやつで、そこに救いもあるわけですな」 これを読んだときに、悪は当然として善の子爵も煙たがられるのが、なんか感覚的にわかった気がした。
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のどかな風景と凄惨な行為、不治の病と享楽、善と悪、放埒と清貧といった相反する要素が、ほかにもたくさん入れ替わり立ち替わり現れる。いちおう語り手が居るのだが、不意に現れてはいつの間にか存在を忘れ、忘れているとまた不意に現れては思い出す感じが不思議だった。 併せて収録されている三部作...
のどかな風景と凄惨な行為、不治の病と享楽、善と悪、放埒と清貧といった相反する要素が、ほかにもたくさん入れ替わり立ち替わり現れる。いちおう語り手が居るのだが、不意に現れてはいつの間にか存在を忘れ、忘れているとまた不意に現れては思い出す感じが不思議だった。 併せて収録されている三部作についての覚書きは初訳とのことだが、三部作の底にある考え方などが記されている。カルヴィーノが創作活動に迷っていた時期があったことなど、新鮮な驚きも多く、読むことができてとてもよかった。 訳者あとがきでカルヴィーノとの意外な関連が出てくるのだが、作家の人物・人となりに思いを馳せられる内容で、これもまたよい。
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