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「線」の思考 鉄道と宗教と天皇と
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/10/16 |
JAN | 9784103328421 |
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「線」の思考
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「線」の思考
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商品レビュー
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<目次> 第1章 小田急江ノ島線とカトリック 第2章 二つの「常磐」~「ときわ」と「じょうばん」の近現代 第3章 軍隊の消えた町~旭川の光と影 第4章 古代・中世・近世が交錯するJR阪和線 第5章 日蓮と「房総三浦環状線」 第6章 「裏」の山陽をゆく 第7章 神功皇后と継体天皇と北陸本線と 第8章 聖母=ショウモから聖母=セイボへ~神功皇后・マリアとJR筑肥線・松浦鉄道 <内容> 「小説新潮」連載の記事をまとめたもの。鉄道を縦糸に日本の宗教を横糸として、さらに天皇(制)を交えて、旅をして現地を訪ねながら考察していくスタイル。こういうエッセイが好きである。けっこう同じ所を回っている自分がおかしい(自分は銅像を廻っているので、その視点は異なる。越前でちょっとだけ継体天皇と継日の前之銅像の話が出てきたが)。鉄道の意義を少し感じながら読ませてもらった。
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空間思想史紀行。当然だが、「鉄道ひとつばなし」と変わらない。 以下、引用 特定の地点を対象とし、その空間の性格を考察するのは、「『点』の思考」である。(中略)一方、「点」よりも広い区域や領域を対象とし、その空間の性格を考察するのは、「『面』の思考」である。(中略)「『点』の思考...
空間思想史紀行。当然だが、「鉄道ひとつばなし」と変わらない。 以下、引用 特定の地点を対象とし、その空間の性格を考察するのは、「『点』の思考」である。(中略)一方、「点」よりも広い区域や領域を対象とし、その空間の性格を考察するのは、「『面』の思考」である。(中略)「『点』の思考」は、限定された空間を考察の対象にしているため、史料によって事実を確定しやすい。これに対して「『面』の思考」は、(中略)多分に想像力を伴なうものであり、抽象的になりやすい。(中略)しかし、「点」と「面」の中間には、「線」がある。「点」と「点」を結ぶことで「線」が成立する。「線」は「点」と同様、空間が限定されながら、一つの地点を越える広がりを持つという意味では、「面」とも共通する。(中略)本書で言う「線」とは、主に軌道を含む鉄道を意味している。鉄道の線路は、江戸時代までの街道や航路におおむね沿って敷かれることもあれば、全く何もなかったところに敷かれることもある。つまり、古代から近世までの人々の足跡に重なっていることもあれば、近代以降に新たな人々の流れを作り出すこともある。(中略)だが、本書で試みたのは、近世の「線」が近代になってどう変容したかを、多くの史料を使って明らかにすることではない。そうではなく、全国各地に通じる鉄道に実際に乗ったり、線路跡を訪ねたりしながら、ただ史料を読むだけではわからない、地域に埋もれた歴史の地下水脈を探ろうとしたのである。ここでいう地域とは、市町村や都道府県のような「面」ではなく、明治以降に画定されたそれらの境界を越える「線」を指している。「線」の起点から終点までの空間という軸に、古代から現代までの時間というもう一つの軸を重ね合わせることで、多様な日本の姿を描き出そうとする試みを、本書では「『線』の思考と名付けている。
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同じ原武史さんの「地形の思想史」と同時並行で一気に読んだ。鵜の目鷹の目、それでいて鳥の目と虫の目もある原さんワールドを満喫した。 日蓮と「房総三浦環状線」は、地形の思想史の「湾」と伝説の章と浜金谷あたりで重なる部分があり、うれしくなる。 軍隊が消えた街・旭川の最後の提言は納得した。JRも営利企業であり、どこまでも頼れない部分はあるだろう。この提言は様々な地方都市に言えるのではないか。
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