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テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
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テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

カール・B.フレイ(著者), 村井章子(訳者), 大野一(訳者)

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テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日経BP/日経BPマーケティン
発売年月日 2020/09/18
JAN 9784822289027

テクノロジーの世界経済史

¥3,520

商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2026/02/15

【感想要約】 本書は技術史を進歩の物語としてではなく、分配と制度の問題として捉え直した点に意義がある。技術の帰結は不可避ではなく受け止める社会の制度設定で変わるという視点は、AI時代を考える上でも重要。成長と格差の調整を担う制度の役割の大きさを再認識した。 【内容】 カール・B...

【感想要約】 本書は技術史を進歩の物語としてではなく、分配と制度の問題として捉え直した点に意義がある。技術の帰結は不可避ではなく受け止める社会の制度設定で変わるという視点は、AI時代を考える上でも重要。成長と格差の調整を担う制度の役割の大きさを再認識した。 【内容】 カール・B・フレイ氏は本書「テクノロジーの世界経済史」において、技術革新をその「技術的性質」ではなく、労働市場と所得分配に与える作用という観点から、「労働補完技術」と「労働置換技術」の2類型に整理している。前者は労働者の生産性を高め需要を拡大させるのに対し、後者は既存労働を機械化によって代替し、雇用や賃金に強い下押し圧力をもたらす。 著者は、技術進歩が長期的には生活水準を向上させてきたこと自体は否定しない。しかし歴史的に重要なのは、その恩恵が社会に均等に行き渡るまでには長い時間差が存在し、特に置換的に作用する局面では、数十年単位にわたり特定の階層へ深刻な不利益が集中し得る点である。産業革命期の混乱は「短期的調整」と言われながら、実際には数世代に及ぶ社会問題を生んだとされる。 産業革命以前にも省力化技術そのものは存在したが、多くの場合、ギルド制度や政治権力による規制によって社会的導入が抑制された。すなわち技術が欠如していたのではなく、雇用不安や社会不安を回避するため制度的に普及が制限されていたのであり、この点に近代以前の経済停滞の一因を見出している。 18世紀以降、政治参加を拡大したイギリスのジェントリ(地主的中間支配層)層は国際競争を背景に技術導入を積極化し、自動紡績機などに代表される第一次産業革命の技術は典型的な労働置換技術として作用した。熟練職人の没落、ラッダイト運動、婦女子労働の増加などは、生産性向上の裏面として生じた分配上の衝撃であり、労働者層に広く利益が浸透するまでには長い時間を要した。 これに対し、19世紀末から20世紀の第二次産業革命では、電力化・大量生産・企業組織の高度化といった技術体系が労働者の能力を拡張する形で作用しやすく、結果として中間層の拡大をもたらした。ただし著者は、これを技術の性質のみで説明しているわけではない。公教育の普及、労働組合、累進課税、社会保障などの制度的調整が存在したため、技術進歩が補完的効果として現れた点を重視している。すなわち技術の影響は常に政治経済制度との相互作用によって決まる。 1980年代以降のコンピュータ化は再び置換的側面を強め、中技能職の需要縮小、いわゆる雇用の分極化を引き起こした。アメリカで観察された高卒労働者層の相対的没落はその象徴的事例とされる。AIの進展がこの傾向を強めるか、あるいは補完的役割へ転じるかは、技術そのものではなく教育・税制・労働移動支援などの政策対応に依存すると著者は論じる。 したがって、失業や格差拡大の原因を単純にテクノロジーへ帰すべきではなく、社会が技術変化に適応する制度設計の問題として捉える必要がある。著者は、児童教育投資、給付付き税額控除、地域間移動支援、再訓練政策といった実証的に効果が確認されている手段を重視する一方、ベーシックインカムについては格差是正効果が限定的であるとして慎重な立場を示す。 【感想】 筆者の主張する「労働補完技術」と「労働置換技術」の違いが最初はいまいちピンと来なかった(読了後にAIと問答をして内容理解に努めた)。本2つの概念は個々の技術を性質別に分類するものではなく、それが社会制度の中でどのような雇用・賃金構造を生むかという結果的作用に着目した概念である。テクノロジー史に分配史の視点を導入し、古代から現代まで整理したことに本書の意義はあると考える。 「21世紀の啓蒙」の中でも示された通り、技術革新が人々の生活水準向上に資することは数多くのデータが示されており疑いようがない。一方で昨今の情勢を見る限り、中間層の仕事が技術によって代替されつつあると言うのも少なからず事実だと思われる。技術革新による全世界の成長は維持しつつ、それによる局所的(だが個々にとっては甚大な)被害をどれだけ抑制できるかが今後の持続的経済成長の鍵であり、そうした中で問題の核心が技術そのものではなく制度設計にあるという筆者の指摘は重要な視点だと考える。 中間層の没落は本書で示されている技術革新によるもののほか、グローバリゼーションや資本の集中効果による影響も大きいと思われる。またこれらはポピュリズムの進展や分断化社会といった問題の原因ともなっている。そういった意味で本書の射程は単なる技術史にとどまらず、現代の政治経済の安定条件を問い直す点にあると考えられる。

Posted by ブクログ

2024/12/06

しばらく前に、会議で投げかけられた「テクノロジーは人を幸せにするのだろうか」という問いがずっと頭にあった。私たちは何の問いを解こうとしているのだろう。 未来を考えるために過去を知る。かなり分厚いけど、かなり面白かった。

Posted by ブクログ

2024/06/23

機械が登場して仕事を追われた職人が暴動を起こし、便利になるはずの機械を破壊する。結局人間は個人としての利益のために動くのであり、機械化が世の中を豊かにする、などと楽観的な思考にはならない。 とあるアーティストが、サブスクリプションは利益がないから無くなって欲しい、との発言をして話...

機械が登場して仕事を追われた職人が暴動を起こし、便利になるはずの機械を破壊する。結局人間は個人としての利益のために動くのであり、機械化が世の中を豊かにする、などと楽観的な思考にはならない。 とあるアーティストが、サブスクリプションは利益がないから無くなって欲しい、との発言をして話題になった。程度こそ違うがまさにラッダイトの一つではないだろうか。 長期的に見ればプラスだろうが、職を追われる側からすればマイナス以外でない。AIによる技術革新は止まらないのだから、先を読み行動するしかないのだろう。

Posted by ブクログ

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