商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2020/07/13 |
| JAN | 9784480099716 |
- 書籍
- 文庫
大元帥 昭和天皇
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大元帥 昭和天皇
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商品レビュー
4.3
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本書の意図について著者は次のように述べている。「国策・戦略・作戦の決定に際して、昭和天皇が具体的にどのような役割を果たしたのか、その発言の表面的な理解でなく、可能な限り、個々の問題に天皇がどのような質問をし、関係者とのやりとりのなかでどのように考え、その上で膨張・戦争という判断...
本書の意図について著者は次のように述べている。「国策・戦略・作戦の決定に際して、昭和天皇が具体的にどのような役割を果たしたのか、その発言の表面的な理解でなく、可能な限り、個々の問題に天皇がどのような質問をし、関係者とのやりとりのなかでどのように考え、その上で膨張・戦争という判断を下していったのか、それを一次資料から読み解こうとしたのである」とされる(文庫版あとがき)。その言葉どおり、大元帥としての天皇の戦争関与の実態が相当に詳しく叙述されている。 本書を読んで、軍は大元帥たる天皇に必要な情報はきちんと上げていたこと、割拠主義的な陸軍及び海軍いずれもの情報を把握していた天皇が優位な地位にあったこと、そして大元帥としての責任意識から、戦略や作戦についてただ聴き置くのではなく、かなり具体的なことにまで意見を述べていることなどが良く分かった。 また、満洲事変における関東軍・朝鮮軍の独断専行の軍事行動、熱河作戦、張鼓峰事件など当初こそ天皇の怒りをかったが、「戦果」が上がると一転してこれらの暴走を事後承認しただけでなく、勅語を出すなどして賞賛・激励したことが述べられる。このような天皇の結果優先の態度は、結果として軍部の暴走を煽ることになったと思われるのが、これは将兵が士気を失ってしまうことを大元帥たる天皇が何よりも恐れたからであると著者は指摘する。そういうことなのか。 昭和天皇の戦争責任の問題については、法的、政治的、倫理的などいろいろな面からの様々な議論がされているが、天皇が戦争に対してどのように向き合っていたのかという事実を知る上で必読の一冊と言っても良いだろう。
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新日本出版社から1994年に出版された同名書の文庫版。陸海軍統帥部から昭和天皇への上奏記録をはじめ諸資料を猟歩し、昭和天皇による戦争指導の実態を明らかにした労作である。昭和天皇への戦況報告は、自軍の損害についてはほぼ正確であり、戦果については(意図的でないにせよ)しばしば過大であ...
新日本出版社から1994年に出版された同名書の文庫版。陸海軍統帥部から昭和天皇への上奏記録をはじめ諸資料を猟歩し、昭和天皇による戦争指導の実態を明らかにした労作である。昭和天皇への戦況報告は、自軍の損害についてはほぼ正確であり、戦果については(意図的でないにせよ)しばしば過大であった。その中で、昭和天皇は激動する世界情勢に配視しつつ、大元帥として戦争に勝利するため腐心し、大本営の作戦方針にも度々容喙した。その「判断・行動どれをとっても、大元帥としての自覚と軍人としての豊富な知識に支えられていたものであった」が、最終的には国力の伸張を旨とし他国への侵略を容認した点において、著者はあくまで昭和天皇の戦争責任を追及する立場をとる。しかし、私とて昭和天皇の戦争責任を全く否定するものではないが、帝国憲法第3条(天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス)に基づく天皇無答責論まで「歴史学的見地」から退けるのは行き過ぎだろう。法解釈論は「法学的見地」から行うべきであり、憲法起草者である伊藤博文が同条について「法律は天皇を責問するの力を有せず(略)指斥言議の外に在る者とす」(『憲法義解』)と解説している点は重要である。また、戦前においても同条をもって「公務に関する無答責」「刑法上の無答責」と解するのが通説であった(美濃部達吉『憲法提要』)。天皇の戦争責任については、もちろん事実は事実として、当時の法解釈は法解釈として認めた上で論ずべきであろう。
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「君臨すれども統治せず」の立憲君主としての天皇や「四方の海皆同胞と思う世の〜」と明治天皇の御製を引用して開戦を再考させた平和主義者としての天皇…。これら戦後の天皇免責論者が形成してきた昭和天皇像が、本書を読めば音をたてて崩れること請け合いである。 その名も「天皇と戦争責任」などと...
「君臨すれども統治せず」の立憲君主としての天皇や「四方の海皆同胞と思う世の〜」と明治天皇の御製を引用して開戦を再考させた平和主義者としての天皇…。これら戦後の天皇免責論者が形成してきた昭和天皇像が、本書を読めば音をたてて崩れること請け合いである。 その名も「天皇と戦争責任」などと名乗りながら大元帥としての天皇が統帥部の輔弼を前提としてた、等と帝国憲法さえまともに目を通していない記述が満載の児島襄の著書等は、本書が出版された以上もう絶版にすべきではないか?
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