消えた心臓/マグヌス伯爵 光文社古典新訳文庫

モンタギュウ・ロウズ・ジェイムズ(著者), 南條竹則(訳者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2020/06/10
• JAN: 9784334754273

商品レビュー

2024/10/27

ジェイムズの短編は古書収集の癖が垣間見えて面白い。「聖堂参事会員アルベリックの貼込帳」はある古書がきっかけで始まる恐怖譚。この話がお気に入り。怪異が起きると速度が加速していく。当時の教会や世相は分かりづらいが注釈で補完できる。#日本怪奇幻想読者クラブ

2024/09/07

描かれる装飾が素敵。書かれたのが19世紀初頭ということもあってか、ファッションや文化など生活様式の面にゴシックな雰囲気が漂っており、厳粛さを重んじた訳がいい具合にそれらを後押ししている。なお、お話自体はもったいつけた割に（今読むと）大した驚きの無いオチである場合が多いとも感じた。なので私にとって本短編集は「装飾」を楽しむべき本だった。屋内の執拗な情景描写に加え、重厚感むんむんの雰囲気作りは文章に"視覚的"な楽しさを与えており、ラヴクラフトに影響を与えたという話にも納得感がある。
また、聖書外典をモチーフにして書かれた話が多いのも特徴、なのだけど、私の聖書に関する知識乏しさゆえ、そこの旨みはあまり味わえなかった。いやしくも海外の映画や小説を読んでる身としては、いい加減聖書についてきちんと学ぶべきだなあと思った次第。

2024/03/13

私が好きな英国怪談作家ナンバーワン、と言ってもこの人本業は大した学者で教育者、怪談はあくまで余興。
この人の怪談全訳、未完の断片の翻訳、更にはとても読めもしない原書までイギリスから持ち帰ったけれど、重複していようとついつい手に取ってしまう私のお宝。
などと言いつつ、この本は出ていることを知らず、図書館で見つけて借りて、しかも読まないうちに期限切れで返してしまったというけしからぬエピソードしかないのでした。
ごめんなさい。ちゃんと借り直します。
と言いつつ、この人手に取るときりがないのでつい別の本に行っちゃう。
とまあ、なんの感想でもないことばかり。すみません。
しかし、英国怪談のナンバーワンはジェイムズですよ、これは本当。