デコちゃんが行く 袴田ひで子物語

たたらなおき(著者), いのまちこ

• 販売会社／発売会社: 静岡新聞社
• 発売年月日: 2020/05/01
• JAN: 9784783880028

商品レビュー

2020/11/18

袴田事件が冤罪であることを訴える映画を観たことがあるし、本も読んだ。どう考えても冤罪だ。姉ひで子氏は人生を弟巌氏の無罪放免を勝ち取るために費やした。悲壮感が強調されていないのは無罪を信じる気持ちにいささかのくもりもないからだろう。一審の主任裁判官だった熊本典道氏が11月（2020年）に亡くなった。裁判で死刑判決を書いた人だが、のちに袴田氏は無実であると告白した人だ。入院した熊本氏を、釈放された袴田氏とひで子氏がお見舞いに行ったときの写真が巻末に載っていた。失われた時を取り戻すことはできない。謝るとか赦すとかいうことはあまり意味がない。あまりにも長い時を経た対面によってどんな関係が生まれたのだろうか。

2020/06/08

世紀の大冤罪事件といわれている袴田事件。その袴田巌さんの冤罪を晴らすべく、長年奮闘してきたお姉さんの記録と記憶。

釈放された後のドキュメンタリーを見て、巌さんの変貌ぶりに驚いた覚えがありますね。変貌と言っても、過日の巌さんを知っているわけでないのですが、毎日死の恐怖に晒された結果、人ってこうなってしまうのか、という。

お姉さんの日出子さん、デコちゃんがとにかく恨み辛みよりも、弟の無実を信じて前進し続けていたのが印象深い。
書かれている以上の誹謗中傷もあっただろうけども、屈せず進み続けることの尊さ、とでもいうのかな。

犯人は、今なにをしているのかと思わずにはいられない。
別件逮捕とかされてるのかなぁ。余罪で告白したけど、その事実を隠しているとかだったりしないだろうなぁ。