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約束の小説

1,980円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2020/03/19 |
JAN | 9784562057429 |
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約束の小説
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商品レビュー
2.8
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
封建的なしきたりに縛られた旧家の跡目争いに巻き込まれた医者の主人公と、突如原因不明の病で倒れた孤児の少女という二つの物語が並行する異色の館ミステリ。リーダビリティは高く、クセがなく読みやすい、人を選ばない文章といえる。キャラクターは伝奇ミステリのような、物語の登場人物としてのキャラクター性を強調したキャラが多く、硬派な読み手は面喰らうかもだが、今の時代を考えればキャッチーであるし、当初受けたとっつきにくい印象に反して物語全体に柔らかみを与えることに成功している。メタフィクショナルな発言が目立つメインストーリーに反して、もう一つの物語は至って静かな現実味のある路線であり、物語としてのエンタメ性は薄かったものの、こちらの静かな読み心地は本筋であるクローズド・サークルの奇矯さや悪趣味さを際立たせており、このトーンの違いが二つの物語の差別化に成功しているのと、両者の事件への関連性に対するミスリードになっていたようにも思う。 クローズド・サークルとしては定番のネタを使いながらも、全体的にパンチの弱さを感じる。その理由として、警告から最初の殺人が起こるまでの間がやや長く、もう一つの物語との並行もあり、ミステリとして大事な導入の前に失速した印象。また探偵役の少女の存在感をあまり感じず、事件や謎の推理が読み手の中だけで独立しており、登場キャラクターの思索と重ならなかった点は大きな不満である。ただ第二の事件のインパクト、その大仰なトリックと解決編、そして動機はわりと凄まじく、軽い印象ながらも、事件後の余韻が驚異のクライマックスに繋がっていったのは息を呑んでしまった。 しかしながら、もう一つの物語が事件そのものと謎に輪郭を与え、綺麗に融合したクライマックスは圧巻の一語。存在感の薄かった探偵役がわりと生々しい登場を果たしたのと、開陳された最後の謎は流石に読めず、イメージとしても鮮烈であったため満足感はすこぶる高かった。特に血縁関係と禁断の関係という、ミステリのオチでは使い古されたネタを、遺伝性疾患という切り口で鮮やかに蘇らせた点は驚嘆に値する。 今作のタイトルとも綺麗に繋がり、読み終えた今となってはこのタイトル以外考えられないと思う反面、本屋で手に取るタイトルとしては物語の内容を想起しにくく、引っ掛かった部分でもある。しかしながら、福ミスに相応しい奇想を感じる良質のミステリだと思った。
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11月-27。3.0点。 館モノ。父親である館の当主が死去。主人公は愛人の子ながら、跡継ぎ候補。男女問わず第一子が継ぐという決まり。外部から隔離された館で、事件が。 重いテーマながら、軽いタッチですいすい進む。終盤、ちょっと「病」の記述が多すぎて、食傷気味になってしまった。 も...
11月-27。3.0点。 館モノ。父親である館の当主が死去。主人公は愛人の子ながら、跡継ぎ候補。男女問わず第一子が継ぐという決まり。外部から隔離された館で、事件が。 重いテーマながら、軽いタッチですいすい進む。終盤、ちょっと「病」の記述が多すぎて、食傷気味になってしまった。 もう少しシンプルにできなかったのかな。
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父の訃報に因習深い実家の大邸宅を訪れた主人公。相続を巡る不穏な空気の中、ついに殺人が…。硬派なあらすじとは裏腹にキャラ、セリフ、ゆるい空気感等々、総じてラノベ。なので読者を選びますが、慣れてしまえば掛け合いが楽しい。ただ、トリックが少々易しすぎるのは残念。
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