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深層地下4階 ハーパーBOOKS
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
発売年月日 | 2020/03/14 |
JAN | 9784596541321 |
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
帯や概要が気に入って購入したが、ハリウッドの大ヒット映画の脚本家のデビュー小説ということで一抹の不安があった(ヒドイNHK朝ドラをやっていた時期に読み始めたせいで名がある脚本家に対しても懐疑的になっていたせいもある)。 読み始めてみると、全く問題は無く、すぐに面白いと感じて安心した。 中身は良くも悪くもアメリカのアクション映画の脚本家らしいなと感じる。 翻訳が良いのもあると思う(訳者も初の翻訳。だが上手い!)が、映画(映像)をイメージできるような記述はさすが大ヒット映画を生み出した脚本家といったところだ。 多様なキャラクターの性質と各場面の広がりを、短く・素早く把握できる文章も前職から磨かれた強みのように感じる。 ただ、主人公らがなんか安っぽい感じがする(小説ならではの良さである内面描写が弱いのか??設定が単調だから??)のは大衆映画の悪いところが出ているように思う。 半分くらい読んだ時点で、「オチがハリウッド映画の「(全部)ドーン!」にならないといいが・・」と思いながら読み進めていた。 著者が60歳に近いからなのか老いる描写が上手い。有能だった者が老いて衰えていく哀愁も感じる。 オチはアメリカの大好きな核だったが「放り込んでボーン!」ではなく、設置から爆発までドキドキ感もあり良かった。ロベルトについては「爆弾を最下層まで持って行って退避せず爆発を見届ける」や「感染しながら起爆して自爆」するんじゃないかと思っていたから死ななくてよかった。 エピローグも大団円という感じで爽やかに終わっていてよかった。 不満点としては、 中盤以降気になったのが粘菌が意思や思考、記憶を持っているような描写。 終盤に文中で「そんなことはないが・・」と否定しているが、粘菌の行動は、粘菌自体の記憶や感染者の記憶が粘菌に受け継がれていないとあれほど上手くいかない(急に高いところへ登らなくなったり、人間を特別な宿主として探す・好むようなことは生存本能による無秩序な拡大だけではあり得ない)感じがする。この点については、思考しているように"見えた"理由がもう少し欲しかったと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ジャンルとしてはバイオ・ホラーになるんだろう。真菌生物であるコルディセプス・ノヴァスだが、このモンスターっぷりが凄まじい。宿主となる高等生物(人間その他の哺乳類、昆虫etc)に取り付くと急速に体内を移動、脳に寄生して急激に増殖し宿主をコントロール下に置き、最後には宿主の身体内に充満、破裂してより増殖しようとする。学習能力を持ち(脳も意識もないのに)、さらには自らの構造を変え化学物質を構成していく共生体を持つため、様々な障壁も突破してしまうというチートぶり。感染した生物は、死体であろうとこの真菌によってゾンビの如く動かされ、自らをばらまくために利用されることとなる。何となく「ガメラ2」のソルジャーレギオンとレギオン草体(プラント)を思い出した。ソルジャーとプラントはあくまで別個体であり、爆発して種をばら撒くのに対し、こちらの真菌は宿主を破裂させて自らをばら撒くのだが。 真菌による感染(寄生)というキーワードがあるので、ある程度大規模なパニックが起きることを期待したのだが、人物描写に紙数を割いたからか、事件規模や関わる人物は案外コンパクトな印象。これは著者が映画を多く手掛けた脚本家だったことから、映像化した際の尺を無意識のうちに考慮していたのかも。そう考えてみると、様々な場面が全て具体的にイメージしやすい(頭の中で映像化しやすい)のも、著者の腕なんだろう。 詳しくはこちらに https://rene-tennis.blog.ss-blog.jp/2020-08-11
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