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こもれび
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こもれび

林木林(著者), 岡田千晶

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こもれび

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光村教育図書
発売年月日 2020/03/02
JAN 9784895722568

こもれび

¥1,430

商品レビュー

3.4

9件のお客様レビュー

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2025/11/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

「ああ、今日の光はなんて気持ちいいんだろう」タンポポの深呼吸。 不遇なスミレ。しかし最後の言葉は見習いたい。 風に吹かれて倒れそうになりながらも、ひとつぶの、真珠のようなこもれびに触れる。 うれしがっているスミレがかわいらしかったです。 いつも同じではないけれど、今は、また光がくると信じられるスミレ。 「そのときのために、葉を広げておきましょう。どんな小さな光にもちゃんとふれられるように」 動けない植物からの視点なのでしょう。鳥やちょうちょは、ただ声が聞こえないのかも。スミレってこんなキャラなの?と最初はびっくりしました。 絵のこもれびがとても綺麗です。 メッセージがストレート過ぎて、??となるところが個人的にありました。

Posted by ブクログ

2025/08/18

林木林さんの絵本ですね。 絵は、岡田千晶さん(大阪生まれ) イラストレーター、絵本作家。  うすぐらい こかげから  草花たちの はなし声が きこえてきます。  「ああ、今日の 光は なんて   気持ちいいんだろう」  ただひとり こもれびに つつまれている  たんぽぽが ゆ...

林木林さんの絵本ですね。 絵は、岡田千晶さん(大阪生まれ) イラストレーター、絵本作家。  うすぐらい こかげから  草花たちの はなし声が きこえてきます。  「ああ、今日の 光は なんて   気持ちいいんだろう」  ただひとり こもれびに つつまれている  たんぽぽが ゆっくり しんこきゅうしました。  「みんな、もうじき 風が ふいてくるよ」  せのたかい なずなが とおくを見ながら  いいました。  「まあ あなた、すごいわ。   風が 見えるなんて」  つゆくさが なずなを 見上げます。  「むこうの ひなたで 花たちが   ゆれはじめたからね」  「あっ、ほんとうだ。わたしにも   今、風が 見えた」  しろつめくさが ちょっと せのびしました。  風が とどくと、こもれびは あっちを  てらし こっちを てらしながら、  草花たちも あっちへこっちへ   からだを ゆらしながら、  光を もとめて ざわめきあいます。  こもれびを もとめる 花たちの おはなしです。  大きな木の下にいる草花たちにとって、こもれびは、憧れの光ですね。わずかでも、こもれびをあびると、至福の喜びになります。  小鳥や蝶たちに、葉っぱを少し揺らして、こもれびを作るように、お願いします。  ほのぐらい こかげの  そこかしこに かがやく 光を 見つめながら、  小さな いのちが  それぞれの おもいを だいて   生きています。  ひとり こずえの下で、今日も。  今を 生きる わたしたちのように。  林木林さんは、人生の僅かな喜びを、こもれびに例えられているようですね。  岡田千晶さんの、美しい日本画のような朦朧体の絵が素敵に、お話を飾ります。  生きる力を感じさせてくれる絵本ですね(=^ェ^=)

Posted by ブクログ

2025/06/07

 林木林さんの文と岡田千晶さんの絵による、光村教育図書から発売された3作目の絵本は、これまでと同様、人間以外のものを擬人化した物語に感情移入しながらも、そこで気付かされることが人生に於いても、とても大切なものであることに、同じ世界で生きている彼らに対する愛おしさを呼び起こしてくれ...

 林木林さんの文と岡田千晶さんの絵による、光村教育図書から発売された3作目の絵本は、これまでと同様、人間以外のものを擬人化した物語に感情移入しながらも、そこで気付かされることが人生に於いても、とても大切なものであることに、同じ世界で生きている彼らに対する愛おしさを呼び起こしてくれることには、人生の新たな視点を得るだけではなく共に生きる喜びも実感できる、そんなメルヘンの中にも漂う現実味が大きな魅力となっている。  絵本作家でありながら詩人でもある、林さんの物語は、まるで彼女自身がそこで一緒に暮らしているかのような、草花たちそれぞれの気持ちに立った繊細な描写に心を打たれ、これまでの私だったら、『こもれび』という木の葉の間を漏れ落ちてくる太陽の光の恩恵というもののありがたみを、ここまで痛感させてくれたものは無かっただけに、林さんの物語の素晴らしさは視点の斬新さだけではなく、そこに感じられるシリアスさや緊迫感の重みを冷静な眼差しで教えてくれることによって、読み手に自然と思考を促してくれる点にもあるのだと思う。  こもれびは、必ずしも同じところにずっと落ちるわけでは無く、風などの自然現象や気まぐれな運の要素もあって、その恩恵をどのくらい受けられるかは日々変わってしまい、草花たちにとって穏やかな心境ではない中でも、比較的長い時間恩恵を受けられるものもいれば、生まれた場所によって全く受けることのできなそうなものもいてと様々である。  そうした状況の中、岡田さんの色鉛筆による精緻な美しさを持ちながらも温かさを感じる絵からは、林さんの文章と呼応するかのように、風がもたらす木々のざわめきがもたらす不安さや、夕暮れを背景に羽ばたく蝶の無情さを再現する一方で、デフォルメしていない写実的な描写に於いても、草花たちの表情が見えてくるような情感溢れる絵に思わずハッとさせられたことには、岡田さんの感情の浮かび上がる絵の醍醐味が決して子どもだけでは無いことを教えてくれる。  そんな感情豊かとも思える草花たちは、日々のこもれびから感じる喜怒哀楽から生きていくための教訓を得るようになり、それは草花たちの状況によって内容は様々であるけれども、その考え方次第で人生が楽しくも悲しくもなることを教えてくれることだけは共通しているようで、そこには世界は常に変わらないような落胆を感じることはあっても、それが確実にそうであるという根拠はどこにもないということでもあり、これを信じることは、はっきり言ってとても辛いことだとは思うけれども、生き続けている限り、その可能性はほんの少しでもあるということも忘れてはいけないのだと思うことで自らを鼓舞できるような、そんな前向きな気持ちに読後はきっとなれるのではないかと思う。  そして、そんな気持ちを後押ししてくれるように、本書の見返しの色や表紙の絵から感じられる林さん、岡田さんそれぞれの気持ちの表れには、希望はいつの日かやって来ることもあるのだということを教えてくれる。

Posted by ブクログ