商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2020/02/21 |
JAN | 9784041084397 |
- 書籍
- 文庫
かわうそ堀怪談見習い
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かわうそ堀怪談見習い
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商品レビュー
3.5
14件のお客様レビュー
☆3.6 ふっと突然に日常が今までと地続きに思えなくなる瞬間が訪れそうで、この暑い中でも寒くなれる。 自分を見失わないようにここに帰ってこなければ、と思ってしまった。 ほんのりじわじわと怖い話だった。 例えば普通の道を普段通りに歩いていたのに、ちょっと瞬きした間に何かが変わっ...
☆3.6 ふっと突然に日常が今までと地続きに思えなくなる瞬間が訪れそうで、この暑い中でも寒くなれる。 自分を見失わないようにここに帰ってこなければ、と思ってしまった。 ほんのりじわじわと怖い話だった。 例えば普通の道を普段通りに歩いていたのに、ちょっと瞬きした間に何かが変わってしまったような。 ほとんど同じなのに決定的にさっきまでとは何かが変わってしまったことだけはわかる。 どうしようもない怖さ。 そんなものがずっと背中にはりついている。
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恋愛小説家という肩書きをやめたくて 怪談話を書こうとする主人公 自分は幽霊を見たことがないから わりと霊感のある友人や知人などに話を聞いて 怪談話を書こうという内容なのに 1番主人公が幽霊というかこの世じゃないものと近い。それがなんてことないような話の終わりに ポロッと書いたりするからすごく怖い。 最初から怖い話という雰囲気で始まるのではなく 一見日常を書いてそうなのに その日常や出てくる人たち街がおかしい。 つぎの話の移り変わりにはでもその話は 主人公にとってなんでもない風になってるのも怖い。
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柴崎友香さんの文章が怪談に合っていたとは! というおどろきがありました。 『かわうそ~』は発売されたときから気になっていましたが、どうしても怖い話が苦手で読めていませんでした。 よく云われる「結局は生きている人間がいちばん怖いんだよね」的な怪談ではなく、背景にずっと得体の知れない怖さが流れているような読み心地です。 この得体の知れなさは主人公の記憶の問題と関わってくるもので、最後はその出来事と対峙していちおう解決もします。 怪談とはいえ、全体の雰囲気や設定にシリアスさはないです。たとえば主人公が恋愛小説家から怪談作家に転向しようと思ったきっかけや出逢う登場人物たちもとくべつ「霊感があります」的なこともなくて、だからこそふいに差し込まれる「見られる」感じにぞっとしました。 わたしたち生きている人間が、怖いものを見て怖い、となるのが怖い話の怖い部分で、筆力を試される部分だと思うのですが、この作品の場合は「あちら側のひとたち」が主人公を見て、どうしてあなたがここにいるのかと怖がる・ぎょっとする、という怖い話に馴染みがないもので、その発想の新鮮さにも感動しました。 鏡やテレビといった定番(という偏見かもしれません)アイテムが出てくることにも説得力がありました。 怖かったけど、面白かった、そして柴崎友香さんの文章の魅力が存分に発揮されている一冊です。
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