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まぼろしの小さい犬 岩波少年文庫
913円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2020/01/18 |
| JAN | 9784001142501 |
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まぼろしの小さい犬
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まぼろしの小さい犬
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商品レビュー
4.4
16件のお客様レビュー
楽しみにしていた誕生日、犬の絵が届けられた絶望。けれど弱った祖父の申し訳なさそうな姿を見ると強く責めることなんてとてもできない。恵まれた家庭環境の中で感じる小さな孤独。その全てがリアリズムの中にあり、誰しもが共感できる部分があるはずだ。 その後ベンは希望通りに進まない現実に辟易し...
楽しみにしていた誕生日、犬の絵が届けられた絶望。けれど弱った祖父の申し訳なさそうな姿を見ると強く責めることなんてとてもできない。恵まれた家庭環境の中で感じる小さな孤独。その全てがリアリズムの中にあり、誰しもが共感できる部分があるはずだ。 その後ベンは希望通りに進まない現実に辟易し、目をとじれば浮かんでくる、自分の理想の犬ー小さくて勇敢なチキチトを心に飼い始める。 誰にも邪魔されず想像の世界に没頭していくベンの姿は、幼い頃の自分と少し重なった。 事故を境にベンは冷静になっていき、徐々に現実世界を受け入れ始めるが、未だ存在しないチキチトの姿が心から消えない。それゆえ、ついに念願叶って自分の犬を手に入れても、理想との違いにまた絶望してしまう。この部分があまりにリアルな展開で心が痛む。 長いこと憧れ欲していたものに対して、期待が過剰に膨らみ、実際手に入れたものとの乖離に落胆してしまう。これは大人にだって起こり得る事象である。 ただ本作のラストは希望をもって締め括られる。 ベンは自分が手にした犬のありのままの姿を認め、想像の犬とは別の存在として愛情を注いでいくことを決意する。 将来子どもに読んでほしい本の一冊となった。
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犬を飼うことを切望している少年ベン。ロンドンを舞台に彼の心の変化、成長が丁寧な筆致でじんわりと伝わってくる作品です。訳者のあとがきに、「リアリズムの傑作と呼ぶにふさわしい」とありました。 家族の人間関係も丁寧に描かれており、特にベンの祖父が孫を思う気持ち、心に響きました。亡き祖...
犬を飼うことを切望している少年ベン。ロンドンを舞台に彼の心の変化、成長が丁寧な筆致でじんわりと伝わってくる作品です。訳者のあとがきに、「リアリズムの傑作と呼ぶにふさわしい」とありました。 家族の人間関係も丁寧に描かれており、特にベンの祖父が孫を思う気持ち、心に響きました。亡き祖父のことを思い出してしまいました。 ベンが想像の世界をさまよっている場面では、自分の子どもの頃のことが思い出され、ベンの気持ちに寄り添って読むことができました。ラストの場面が映像として焼きつき、ベンのこれからの人生を応援したい気持ちになりました。想像の世界を経て、現実認識に至る心の成長を描いた本作は、本当に素晴らしい! 訳者あとがきで、作者ピアスの創作過程を知ることができ良かったです。解説は小川洋子さんでした。この物語の感動が倍増しました。 海外文学を読んだ後にいつも思うことは、訳者の日本語力の素晴らしさです。美しい日本語で、少年の心の中までいざなってもらえました。
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それはだいぶ前のことだが、ベンがおじいさん、おばあさんの家に行っていた時のことだった。ベンがおじいさんのところの犬のティリーと遊んでいるのを見て、こういったのだ。 「どうだい、ひとつ、おまえも犬を飼うってのは。誕生日にあげようかね?こんどの誕生日がきたら。」
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