宮下草薙の不毛なやりとり

宮下草薙(著者)

• 販売会社／発売会社: 学研プラス
• 発売年月日: 2020/01/16
• JAN: 9784054067523

商品レビュー

2021/01/04

202011/TV LIFEでの連載を書籍化＋インタビューやカラーグラビア（！笑）も大量に追加されていて宮下草薙ファン（ネタファンもビジュファンも）満足できる一冊。2020年1月に刊行された本なんだけど、この芸歴このタイミングで、このクォリティの出版をしてもらえるってすごいと思う。

2020/11/14

　TV LIFEにて連載中（2020年11月時点）の『宮下草薙の不毛なやりとり』を書籍化したものです。著者は『宮下草薙』となっていますが、主な執筆はツッコミの宮下さんが担当しています。

　TV LIFE 2019年 3号（2/1号）～TV LIFE 2020年 2号（1/15号）までの連載分を再録している他、宮下草薙それぞれへの個別インタビュー、コンビでの対談、事務所の先輩であるアルコ&ピースとの対談など、書籍版だけの特別企画も多数収録しており、読み応え抜群の一冊に仕上がっております。

　と言うか、ページの割合がほぼ「連載再録部分：書籍特別企画=5：5」と、特別企画の量がおまけの範疇から完全にはみ出しているので、内容はほぼ宮下草薙特集のムックだな。と思いました。

　芸人さんの本というと、基本的には長期に渡って連載して十分なストックができた上で、それまでの連載分を全てあるいは抜粋して加筆修正して本にするもので、おまけ要素も書き下ろしエッセイや対談、近しい芸能人の方からの解説などが一つ追加されるくらいが一般的と思っていたのですが…個人的には特殊な本だなと思います 笑

　メインである「宮下草薙の不毛なやりとり」は、宮下草薙の間で実際に交わされた不毛な会話のやりとりを、そのまま書き起こしたような内容です。文章の形式としては、

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宮下　もしもし？とうとう明日だな。まあいつも通りやろうや。
草薙　今これから来れない？
宮下　いや、今実家だから。群馬から1時間半かけてそっちに行くのは流石に怠いよ。
草薙　いや、俺のメンタルがヤバいから来た方がいいけどなそれは。

（『宮下草薙の不毛なやりとり　著：宮下草薙』
P.65 第1回 小見出し『おもしろ壮収録前夜』１行目～4行目より引用）

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…といった感じで、詳細な状況の描写が省かれた漫才の台本の様な会話形式で進んでいきます。日常で実際にあった事について書いているので、あえて分類するならエッセイかな？とも思ったのですが、個人的には『短編会話集』とかの方がしっくりきますね。
　内容もまた漫才の様な笑えるやりとりですが、とは言え、ネタと違ってツカミやヤマやオチがある訳ではないので、基本的にはゆるい雰囲気でクスッと笑ってしまう様なお話が多いです。

　個人的には、漫画の「セトウツミ」が好きな人は好きなんじゃないかと。

　本全体の事を言えば、既にTV LIFEで『不毛なやりとり』を読んでいた人でも楽しめる特別企画要素が沢山あるので、ファンにはかなりお買い得な本なのではないでしょうか。
　また個別インタビューやコンビ対談で、デビュー前～ブレイクしたて位までの宮下草薙について本人たちの口から語られているので、最近宮下草薙を好きになった人、そして、これから宮下草薙を好きになる人にとっては、初期のコンビの概要を知るのにとても良い一冊になると思います。

　ここからは蛇足ですが、改めてじっくり本を見てみるとかなり力の入ったと言うか、ファンへのサービス精神に溢れたしっかりした作りの本だな～と感心してしまいますね…。
　ブレイクして2年やそこらの若手芸人さんが出す本としては、かなり立派なのではないでしょうか。むしろ、今勢いのある旬の若手芸人さんだからこそ出せたのかも知れません。

　なんせ写真=カラーページが多い。そもそも雑誌連載の再録本で特別企画が本の半分を占めるという労力のかけっぷりも大概凄いのですが、その中にグラビアの企画があるという事に個人的にびっくり。

　若手芸人のエッセイ本にグラビアの企画があること自体、冷静に考えると「なんで…？？笑」なのですが、驚くべきはグラビアと銘打っていないインタビューや対談の企画でも二人の撮り下ろし写真がふんだんに使われていて、極め付けには表紙カバーの裏側にまでカラーで写真が印刷されているほどの徹底した写真の活用っぷり。

　カラー写真を多く使うという事は、それだけお金もかかるはず。それなのに、この写真のページが占める割合の多さ…この本の『宮下草薙の写真』にかける思いは最早執念じみたもの感じました…笑

2019/10/30

2020年１/16発売で注目
「TV LIFE」で2019年1月にスタートした人気お笑いコンビ
宮下草薙の初の連載が待望の書籍化。