商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 学芸出版社 |
発売年月日 | 2019/12/05 |
JAN | 9784761527280 |
- 書籍
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デンマークのスマートシティ
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デンマークのスマートシティ
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商品レビュー
3.8
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【人間中心の社会づくりの実践】 デンマークの外務省で働かれている著者が、 デンマークの現代の街の発展の在り方を紹介されている本。 本の構成として、 まずその街をつくる人々の文化・精神的側面について説明されていたところが、 大変興味深く、 街を語るにも、発展にも、 欠かせない要素であると感じました。 ・フラットな社会 平等の国北欧、著者曰く、 「大切なのは、個人としてどのような考えを持ち、価値を提供できるかということ」。 福祉国家に整備された医療保険や福祉制度の説明の中で特に興味深かった視点は、 高齢者だけではなく、子どもも社会が負担する、という、よく考えると当りまえのような制度。 「格差をなくす社会のしくみは人生のスタート時から保障されている」、とのことで、 たしかに、自分で働くことのできないのは、高齢者だけではなく、未成年の子どもだな、と。 そう考えると、年金制度という、老人の負担のみ社会で持つ、という考え方が普通になってしまっているのはなぜだろう、という疑問が生まれますね。 こんな平等の精神の根底にあるのが、教育。 グルントゥヴィーという19世紀ごろの思想家が示した、「生の教育」が、デンマーク社会の精神に大きく影響を与えていると書かれていました。 とくに重視されているのが、対話によるコンセンサス。 後半に紹介される、オープンイノベーションや産学官連携などでも、この姿勢が活かされているようです。 ・自転車の街 コペンハーゲンは自転車の街とも言われますが、 街のデザインは、事実実証に基づいて、一貫性を持って作られているように理解しました。 2025年までの世界初のカーボンニュートラル首都を掲げ、 2012 CPH2025気候プランでは自動車利用を削減、自転車を推進する、具体的な数値目標などが示されていて。 自転車スーパーハイウェイや、グリーンウェーブ(20km/hまでの速度だと信号が常に青)という、自転車での通勤や移動を最適にする実践が徹底されていました! ・デジタル化 日本のマイナンバーは2015年に撞球され、現在も過渡期ですが、 デンマークでは、1968年にすでにCPRナンバーが導入され、 広い公的サービスがこの番号で一括管理されている。 2030年までのキャッシュレス国家を掲げ、 2015年から、中央銀行は紙幣・硬貨の発行は終了した。 ・ソーシャルデザインによる、人間中心のスマートシティ 現代の社会システムが生み出した社会課題は、社会システムを変えない限り解決できない。 その社会課題を解決するためにデザインを戦略的に利用している実例が紹介されています。 ロボットの開発にも注力するオーフス市についても紹介されていましたが、著者は、 「北欧の特徴であるイノベーションは、イノベーンョンが自己目的化せす、地域や産業の問題を解決し、成長につながるしくみを構築している。現実の課題を解決する手段としてロボット技術を発展させることに主眼が置かれでいる。こうした点は実利主義のデンマークらしい特徴だ」、と指摘しています。 デザインプロセスを象徴する、EaaS (Experimentation as a servie、サービスとしての実証実験)の取り組みも興味深かったです。 EaaSは、「地城の問題を解決したいと考えている市民などの主体が、行政、都市聞題の専門家、技術などを有している企業と一緒に小さな実験を行い、解決するためのソリューションが最適かどらかを見極めるための手法」で、「市民が実証実験をまるでサービスを購入するかのように利用できるシステム」とのこと。 その他、デンマーク型産官学連携のトリプルヘリックス、知的公共需要(IPD)についても説明されていました。 全体として、 より暮らしやすい社会を目指すからこそ、フラットな関係性を推進し、その関係性を実践するからこそ、皆にとってよりよい社会を実現していくことができる。 プロセスや手法と目的が相互に補強しあうような、人々の暮らしをより良くするために筋の通った実践がなされているという印象を強く受け、大変勉強になりました。 簡単に真似できない、というのはこのことでもありますね。
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デンマークの国やまちについて紹介されている。 会社の中のフラットさが良いと感じる一方で、デンマーク人はだから国際競争力がなくなったという声がある。 物質的な豊かさやブランドに関心がない国という反面で、スポーツカーに乗るのは休日だけにして、外からの目を避けるところもある。
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海外先進事例をより深く学ぶことができた。国民性や教育等、 様々な背景が違うのでそのまま日本に転用させることは難しいが、参考にはなると思う。 経済の成長・拡大時は物の大量生産、消費・所得が主流だったが、経済の縮小下においては、試行錯誤や新たな価値創造、クリエイティブが求められる。共...
海外先進事例をより深く学ぶことができた。国民性や教育等、 様々な背景が違うのでそのまま日本に転用させることは難しいが、参考にはなると思う。 経済の成長・拡大時は物の大量生産、消費・所得が主流だったが、経済の縮小下においては、試行錯誤や新たな価値創造、クリエイティブが求められる。共創も広がってくる。最近では蔦屋がクリエイティブ空間を作ろうとしているが、これもまた日本は発展途上だと思った。 デンマークは、CO2対策やマイナンバー普及等、日本が今取り組んでいることを遥か昔から取り組んできていたこと、それもデザインによりエンタメ性も持たせながら...というところに驚いた。教育も企業の組織内でも全てが対等に行われている。幸福度が高い理由が見えた気がした。
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