商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 理論社 |
発売年月日 | 2019/11/19 |
JAN | 9784652203347 |
- 書籍
- 児童書
シュトルム ショートセレクション みずうみ
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シュトルム ショートセレクション みずうみ
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
とても美しくて、醜いものなど一つも存在しないような。 悲しさや切なさも、どこまでも美しく描かれていて、市民的リアリズムの作家といっても、日本人の私には子供の頃に読んだファンタジーの世界だった(批判ではなく)。 さっと異世界に連れていってくれて、さっと現実に戻ってくる。 世界ショ...
とても美しくて、醜いものなど一つも存在しないような。 悲しさや切なさも、どこまでも美しく描かれていて、市民的リアリズムの作家といっても、日本人の私には子供の頃に読んだファンタジーの世界だった(批判ではなく)。 さっと異世界に連れていってくれて、さっと現実に戻ってくる。 世界ショートセレクションというシリーズは子供向けだが、読みやすく、名作文学への入り口としてとても良いと思う。
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先月、岩波文庫の「みずうみ」を20年ぶりに読んで、思ってたセリフがない?と思い、別の訳者のものも確かめるべく、この本を借りてきた。 結論からいえば、やはり探していたセリフはここにも無かったが、この本を手に取り、みずうみ以外の三篇も読み終わり、とてもいい編集、いい訳だったと思う。 ...
先月、岩波文庫の「みずうみ」を20年ぶりに読んで、思ってたセリフがない?と思い、別の訳者のものも確かめるべく、この本を借りてきた。 結論からいえば、やはり探していたセリフはここにも無かったが、この本を手に取り、みずうみ以外の三篇も読み終わり、とてもいい編集、いい訳だったと思う。 手に取れて幸運だった。 ヨシタケさんのイラストや、字組みの雰囲気からすると、このショートセレクションシリーズは小学校高学年からでも歓迎している雰囲気で、その企画も出来栄えもとてもいいと思う。 シュトルムはこのシリーズ12作目だが、ロレンス、ジャック・ロンドンなど未読の作家がはじめの方にあり、こちらも読んでみたいとおもった。 マーク・トウェイン、トルストイ、チャペックなど小学生に読む機会があるのは素晴らしい。ぜひ手に取ってもらいたい。 さて、本書について。 表題作は、岩波の関氏の訳が世間に広まっていることもあり、違うなーという想いが先行したが、他の3篇は酒寄さんの訳が素晴らしくて、本の世界に浸る幸せを感じた。 「林檎の熟する時」は岩波と同様に短い&説明が少なすぎて状況がわかりにくい&わりとコメディタッチなので、ここでは触れないが、初めて読んだ「雨の精トルーデ」と「人形使いのポーレ」はファンタジーや民話の要素が強く、シュトルムがそういった作品にも佳作を残しているとよく分かった。 特に最後の、「人形使いのポーレ」が素晴らしかった。 大好きなベンチで過ごした親方の子供時代、人形芝居の一家との関わり、人形芝居の面白さ、その後の報われない善人たちがどうなるのか、ずっとこちらも息を殺してドキドキしながら昔話を聞いていた。 ヨーゼフの最後の芝居が悲しい結末で残念だった。庭づくりに活路を見出したのはいいけど、最後にいい芝居をさせてあげたかったな。そしてヨーゼフが死んだあとのハインリヒの行動is何?お墓も一緒なんですね、ううう。そこには親方の子供時代からの友人カスペルも…。 宗教色はあるものの、誠実に生きてきた職人たちの人生にいろんなものを読み取って共感できた。 リーザイとパウルゼン親方がこれからもこの本の中にいきいきと残るのが嬉しい。 余。 みずうみのタイトル、原題はimmenseeインメン湖、これを平仮名で み ず う み にしたのは天才だったね。 以下にみずうみの、「母は欲りせり」(母さんにいわれた)章のラストのシーンでのラインハルトとスイレンのくだりの訳を比較メモ。 (たぶん私が探していたセリフはこれなんだけど、岩波の訳以上にこの本の訳はあっさりしていた。) 岩波の関さんの訳は …エーリッヒが言った。 「いったい君はその睡蓮と、どういう関係があるのかね?」 「僕は以前この花と親しかったことがあるんだ」とラインハルトは言った。「もう遠い昔のことだがね」 こちらの酒寄さんの訳は …エーリヒが言った。「なんでスイレンなんかを?」 「前に一度見たことがあってね」ラインハルトはいった。 「ひさしぶりだったので」 短い。そして睡蓮は漢字のほうが良かったなー。
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