- 書籍
- 書籍
フィンランド公共図書館
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
フィンランド公共図書館
¥2,750
在庫あり
商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
タイトルの通り、フィンランドの公共図書館について紹介した一冊。 それぞれに個性的な運用がなされているフィンランド各地の図書館を、取材や現地視察を踏まえ紹介していき、そこに通底するフィンランド図書館の特徴を明らかにしていく。 まずフィンランドの公共図書館をめぐる法的な諸側面が簡単...
タイトルの通り、フィンランドの公共図書館について紹介した一冊。 それぞれに個性的な運用がなされているフィンランド各地の図書館を、取材や現地視察を踏まえ紹介していき、そこに通底するフィンランド図書館の特徴を明らかにしていく。 まずフィンランドの公共図書館をめぐる法的な諸側面が簡単に述べられる。 公共図書館法という法律に掲げられる目的は以下5つを推進すること。 「①教養と文化への平等な機会 ②情報へのアクセスとその利用 ③読書文化および多様なリテラシー ④生涯学習および能力開発の機会 ⑤アクティブ・シティズンシップ、民主主義、言論の自由 その基点は、公共性、多元性、文化的多様性である。」 つまり、全ての国民に平等にサービスを提供すること。これに心血を注いでいる。 公共サービスなので字面だけ見てもそりゃそうだろう、と思うかもしれないが、その後に続く各地の事例を見ていくと日本のそれと比べると運営者たる図書館員たちの熱意に驚かされる。 とにかく上記の目標を達成するために各図書館それぞれに知恵を絞って、ハード面・ソフト面両面から、来館者にとって居心地が良く、役に立ち、交流を促進する場にしていく努力を惜しみなく続けている。 ハード面の特徴は、交流するための空間やイベントを行う空間が基本的に多く設けられている事が一つ。静寂を主とする日本の図書館とは大きく異なる。また、メーカースペースと呼ばれる、工具類やあるいは電子的な機器類をそろえたスペースや、作曲・録音スタジオ等、「創造するための空間」も主流だ。これもあくまで情報を取得することが主目的な我が国の図書館利用と違い、創造・発信の場となっていることが面白い。空間を本の対象年齢で分けて、幼児や少年たちが楽しめるような空間づくりがされていたり、乳幼児連れに優しいスペースも勿論ある。一方で、きちんと読書などに集中するための空間もちゃんとある。 ソフト面で言えば、「フローティングコレクション」というものを導入している。本や各種資料はどこか固定の図書館の所蔵のものではなく、管轄エリア全体で所有するというもの。例えばA館にある本をB館で取り寄せて借りた後、B館に返却したらそのままB館の書架にその本は収まる。理論的には各地域で関心の高い本が各エリアに自然と移動していくことになるという。 また、閉館後もセルフサービス(スタッフ不在)ながら入館ができたりするのも面白い。 各種行政窓口と一体化している図書館もあったりする。 これらのハードやソフトの工夫も「全ての人の居場所に」という理念を実現させるための仕組みとして機能しているが、それ以上にフィンランド図書館を魅力的たらしめているのは、各地の図書館職員の奮闘にある。 これらの空間や仕組みを設けても、それを運用する方にやる気がなければ宝の持ち腐れ。来館者一人一人に向き合って、どうすればもっと多くの人が図書館に来てくれるか。どうすれば読書に関心を持ってくれるか。どうすればよりお役立ちできるか・・・・。 そして、絶えずこれを考えスピーディに実践に移していく熱意あるスタッフがいる事によって、利用者の方も意欲的積極的に図書館を利用するばかりでなく、場の魅力向上に一役買うようなイベントの主催者になったり、サービスを考案したりする。これが常態化し、うまく回っているのがフィンランド図書館の魅力の源泉だろうと感じた。 ハード・ソフトの仕組みだけ真似しても一朝一夕に生み出せないような文化の蓄積を感じた。 とは言え、今後の図書館の在り方として大いに参考になる一冊と思う。
Posted by
フィンランド公共図書館の運営や考え方に関する本。学力世界一の裏には自由に公平に図書館が利用出来る権利がある。日本にも取り入れて欲しいものがたくさんあった。色んな図書館を知ることは大切だと思う。
Posted by
国民から信頼され、勢いよく利用されているフィンランドの図書館についての見聞録です。 情報へのアクセスポイントとして、更には3Dプリンター等創作ツールの提供場所として幅広く手掛けています。 又、盗難防止に必須と思われるBDSが定着せず、そのまま運営されていることに驚きました。 利用...
国民から信頼され、勢いよく利用されているフィンランドの図書館についての見聞録です。 情報へのアクセスポイントとして、更には3Dプリンター等創作ツールの提供場所として幅広く手掛けています。 又、盗難防止に必須と思われるBDSが定着せず、そのまま運営されていることに驚きました。 利用者のモラルと図書館員の職業意識の高さを羨ましく思いました。
Posted by