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大学改革の迷走 ちくま新書1451
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大学改革の迷走 ちくま新書1451

佐藤郁哉(著者)

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大学改革の迷走 ちくま新書1451

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2019/11/05
JAN 9784480072634

大学改革の迷走

¥1,320

商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2023/01/23

30年におよぼうとする大学改革の掛け声にもかかわらず、いっこうにその実があがらないようにも見える大学改革について、その実態を批判的な観点から明らかにしている本です。 シラバスやPDCAサイクルの導入などの実例について検討をおこない、それらが「改革ごっこ」や「経営ごっこ」にすぎな...

30年におよぼうとする大学改革の掛け声にもかかわらず、いっこうにその実があがらないようにも見える大学改革について、その実態を批判的な観点から明らかにしている本です。 シラバスやPDCAサイクルの導入などの実例について検討をおこない、それらが「改革ごっこ」や「経営ごっこ」にすぎないということが、ていねいに説明されています。こうした著者の議論を読み進めていくと、「どっちを向いても茶番」という気持ちになってくるのですが、本書の後半で著者は、オーリン・クラップという社会学者による、社会を舞台に上演されるドラマの登場人物が「英雄」「悪漢」「馬鹿」の三種類に分類されるという説を紹介して、わかりやすい悪役を仕立てあげるドラマ的な大学改革の見かたそのものに反省の目を向けなければならないと論じています。こうした著者の議論にしたがうならば、「どっちを向いても茶番」といったような冷笑的な態度で大学改革の問題点を理解したような見かたに終始していることも、ほんとうの問題点をさぐり大学のあるべきすがたを追求しようとする姿勢とは相反するというべきなのでしょう。 本書には大学改革のあるべき方向性が具体的に示されているとはいえないのですが、むしろ「あるべき方向性」を性急に求める態度が、わかりやすいドラマ仕立ての改革案を生み出し、よりいっそう大学改革の迷走に拍車をかけることになるのかもしれません。必要なのは、問題をいっきょに解決するような斬新な解決策などではなく、個々の問題に対して個別的な対処をそのつど実行していくようなピースミール的な改良策であり、そのためには著者のように大学のあるべきすがたについて真剣に考えるスタッフが、それぞれの置かれている立場での活動をおこないやすくするようにサポートしていくことが、迂遠であっても正しい大学改革の道筋なのかもしれません。

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2021/10/30

https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29126930

Posted by ブクログ

2021/09/18

大学改革の目的は一体何だったのか?大学改革ということそのものが目的になった壮大な国を挙げての「改革ごっこ」の愚かさを著者は怒りを持って吠えている!という感じ。同感するところ多く、痛快な切り口に快哉を覚える。大学改革でシラバス、PDCA,KPI,「選択と集中」、ルーブリックなどの用...

大学改革の目的は一体何だったのか?大学改革ということそのものが目的になった壮大な国を挙げての「改革ごっこ」の愚かさを著者は怒りを持って吠えている!という感じ。同感するところ多く、痛快な切り口に快哉を覚える。大学改革でシラバス、PDCA,KPI,「選択と集中」、ルーブリックなどの用語があたかも万能の小道具のように文科省が主張し、それを大学に補助金、検査、自己点検などの場面において強要している。しかし、シラバスは米国のものとは似ても似つかぬお仕着せの和製・画一化されたものであるし、PDCAもまた、日本の産業界で導入されたものが、果たして大学に有効なのか、マイナスなのではないかという検証も杜撰!日本の大学の低迷、迷走は正に文科省の誤った方向性にあることを痛感する。これから日本の大学は、そして若者は、未来の日本そのものがどうなるのか?と不安になる。グローバル大学を目指せという文科省の発破の一方で、大学の自由な改革を邪魔する行政という相互の不信感がある限り、有効な改革が出来るとは思えない。しかしこの本に関して言うと怒りのあまり些か筆が進みすぎ、で大部の新書になってしまい、しつこい感じが否めない。

Posted by ブクログ

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