統計分布を知れば世界が分かる 身長・体重から格差問題まで 中公新書
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統計分布を知れば世界が分かる 身長・体重から格差問題まで 中公新書

松下貢(著者)

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統計分布を知れば世界が分かる 身長・体重から格差問題まで 中公新書

880

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2019/10/17
JAN 9784121025647

統計分布を知れば世界が分かる

¥880

商品レビュー

3.5

20件のお客様レビュー

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2024/01/06

統計分布(正規分布・べき乗分布・対数正規分布)をもとにさまざまな事象について解説している。特に対数正規分布について詳細に書かれており、複雑系とのつながり、格差社会について言及されていた。 私自身データ分析の業務に携わっており、対数正規分布に従うデータを扱ったことがきっかけで積読...

統計分布(正規分布・べき乗分布・対数正規分布)をもとにさまざまな事象について解説している。特に対数正規分布について詳細に書かれており、複雑系とのつながり、格差社会について言及されていた。 私自身データ分析の業務に携わっており、対数正規分布に従うデータを扱ったことがきっかけで積読されていた本書を手に取った。 複雑系とは多種多様な物やひとが多数集まって複雑に絡み合い関係を持って一つにまとまっている系のことである。そして、複雑系は対数正規分布に従う。 本書では主にGDPや人口、所得について扱っていたが、これらはまに過去にさまざまな要因が絡み合って決定したものである(歴史性)。とりわけ社会科学で扱うデータはほとんどが複雑系であり、対数正規分布に当てはまると言っても過言ではない。 本書を読み、対数正規分布についてより深く学ぶことができ、格差について考えるきっかけとなった。 私の話となるが、現在は主に金融関係のデータを扱っている。債務者の評価に使うデータは、まさに対数正規分布に従っていた。本書を読んで歴史性を理解していれば当然に解釈できる。対数正規分布をもとにモデルを作り、時系列・属性ごとに分析するきっかけとなり大変為になった。今後は対数正規分布について数理的にも勉強していきたい。 本書の最後に格差社会問題解決へのヒントとして「社会的共通資本」について言及されていたことが印象に残っている。これは経済学者の宇沢弘文氏が提唱した理論であり、私自身も最近関心を持っている理論である。社会的共通資本については ・宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年 はもちろん、宇沢氏の弟子である小島寛之氏の書籍が読みやすく、理解も深まるので推奨したい。

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2023/07/23

統計のネタ集めの1つだった。正規分布を事前の確率分布において考えることが多いが,社会現象は正規分布だけではなく,べき乗分布と対数正規分布のものも多い。特に対数正規分布に力が入っている。p.112に「複雑系の正規分布は対数正規分布である」とある。今,注目している現象も複雑系といえる...

統計のネタ集めの1つだった。正規分布を事前の確率分布において考えることが多いが,社会現象は正規分布だけではなく,べき乗分布と対数正規分布のものも多い。特に対数正規分布に力が入っている。p.112に「複雑系の正規分布は対数正規分布である」とある。今,注目している現象も複雑系といえるので対数正規分布という眼鏡を通して何かが見えてくるかもしれないという期待あり。

Posted by ブクログ

2023/07/04

身長は正規分布。その背景には中心極限定理があるわけだが、その説明がなかなか目から鱗で斬新かつ面白かった。 そしてその説明が、収入が対数正規分布する理由にも繋がっていく。 テール部分が対数正規分布から外れてべき乗分布しているものを外れ値と捉え、金持ちがより金持ちになる社会構造への提...

身長は正規分布。その背景には中心極限定理があるわけだが、その説明がなかなか目から鱗で斬新かつ面白かった。 そしてその説明が、収入が対数正規分布する理由にも繋がっていく。 テール部分が対数正規分布から外れてべき乗分布しているものを外れ値と捉え、金持ちがより金持ちになる社会構造への提言に繋げた意欲作でもある。経済に関するコメントはやや薄口かつ本質を突いていないように思える。あくまで、統計学の読み物として捉えたい。

Posted by ブクログ

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