統計分布を知れば世界が分かる の商品レビュー
統計分布(正規分布・べき乗分布・対数正規分布)をもとにさまざまな事象について解説している。特に対数正規分布について詳細に書かれており、複雑系とのつながり、格差社会について言及されていた。 私自身データ分析の業務に携わっており、対数正規分布に従うデータを扱ったことがきっかけで積読...
統計分布(正規分布・べき乗分布・対数正規分布)をもとにさまざまな事象について解説している。特に対数正規分布について詳細に書かれており、複雑系とのつながり、格差社会について言及されていた。 私自身データ分析の業務に携わっており、対数正規分布に従うデータを扱ったことがきっかけで積読されていた本書を手に取った。 複雑系とは多種多様な物やひとが多数集まって複雑に絡み合い関係を持って一つにまとまっている系のことである。そして、複雑系は対数正規分布に従う。 本書では主にGDPや人口、所得について扱っていたが、これらはまに過去にさまざまな要因が絡み合って決定したものである(歴史性)。とりわけ社会科学で扱うデータはほとんどが複雑系であり、対数正規分布に当てはまると言っても過言ではない。 本書を読み、対数正規分布についてより深く学ぶことができ、格差について考えるきっかけとなった。 私の話となるが、現在は主に金融関係のデータを扱っている。債務者の評価に使うデータは、まさに対数正規分布に従っていた。本書を読んで歴史性を理解していれば当然に解釈できる。対数正規分布をもとにモデルを作り、時系列・属性ごとに分析するきっかけとなり大変為になった。今後は対数正規分布について数理的にも勉強していきたい。 本書の最後に格差社会問題解決へのヒントとして「社会的共通資本」について言及されていたことが印象に残っている。これは経済学者の宇沢弘文氏が提唱した理論であり、私自身も最近関心を持っている理論である。社会的共通資本については ・宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書2000年 はもちろん、宇沢氏の弟子である小島寛之氏の書籍が読みやすく、理解も深まるので推奨したい。
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統計のネタ集めの1つだった。正規分布を事前の確率分布において考えることが多いが,社会現象は正規分布だけではなく,べき乗分布と対数正規分布のものも多い。特に対数正規分布に力が入っている。p.112に「複雑系の正規分布は対数正規分布である」とある。今,注目している現象も複雑系といえる...
統計のネタ集めの1つだった。正規分布を事前の確率分布において考えることが多いが,社会現象は正規分布だけではなく,べき乗分布と対数正規分布のものも多い。特に対数正規分布に力が入っている。p.112に「複雑系の正規分布は対数正規分布である」とある。今,注目している現象も複雑系といえるので対数正規分布という眼鏡を通して何かが見えてくるかもしれないという期待あり。
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身長は正規分布。その背景には中心極限定理があるわけだが、その説明がなかなか目から鱗で斬新かつ面白かった。 そしてその説明が、収入が対数正規分布する理由にも繋がっていく。 テール部分が対数正規分布から外れてべき乗分布しているものを外れ値と捉え、金持ちがより金持ちになる社会構造への提...
身長は正規分布。その背景には中心極限定理があるわけだが、その説明がなかなか目から鱗で斬新かつ面白かった。 そしてその説明が、収入が対数正規分布する理由にも繋がっていく。 テール部分が対数正規分布から外れてべき乗分布しているものを外れ値と捉え、金持ちがより金持ちになる社会構造への提言に繋げた意欲作でもある。経済に関するコメントはやや薄口かつ本質を突いていないように思える。あくまで、統計学の読み物として捉えたい。
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様々な物事が統計分布にあてまはまることが分かって面白かった。べき乗分布がどういうものなのか、など用語を理解する目的で読むのもよい。 理論上の分布に当てはまらない時は他の要素が絡んでいるとのことで、世の中の問題を考えるきっかけになる、という面でもよかった。
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世の中のこと、正規分布だけで説明しすぎじゃない?外れ値はずしただけじゃない?と思ってたので、べき乗分布、対数正規分布もあると知れてよかった。 ランキングプロットは使ってみたい。 最後の方の経済学の箇所、自由貿易についてはちょっと違うかな。
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自分は統計、という言葉の理解から怪しいが、その中でもよくわかっていない分布について、実例とともに概要が書かれていて読みやすい。 正規分布は聞いたことがあったが、対数正規分布、というものを世の中の複雑系を読み解く際にはデフォルトとして知っておいた方が良い、とのこと。 対数と言われる...
自分は統計、という言葉の理解から怪しいが、その中でもよくわかっていない分布について、実例とともに概要が書かれていて読みやすい。 正規分布は聞いたことがあったが、対数正規分布、というものを世の中の複雑系を読み解く際にはデフォルトとして知っておいた方が良い、とのこと。 対数と言われると文系の自分は身構えてしまうし、実際ちょっと理解できない部分もちらほら。特にベストフィットについては、もう少し他のもので勉強が必要かな。
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正規分布、べき乗分布、そしてイチオシ(?)の対数正規分布に的を絞った簡潔な統計の本。これらの分布がなぜ自然界や社会現象に現れるかを考察している本は珍しい気がする。格差社会への熱い問題意識を吐露する第6章は蛇足だとおもうのだが、それもご愛嬌。 しかし簡潔にまとめてあるのが実にあり...
正規分布、べき乗分布、そしてイチオシ(?)の対数正規分布に的を絞った簡潔な統計の本。これらの分布がなぜ自然界や社会現象に現れるかを考察している本は珍しい気がする。格差社会への熱い問題意識を吐露する第6章は蛇足だとおもうのだが、それもご愛嬌。 しかし簡潔にまとめてあるのが実にありがたい。『ブラックスワン』だって、これくらいの長さにしようと思えばできるのではないか。
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統計分布の特徴について。基本的なことだが、これらの背景は統計結果から原因などを考察するにあたって意識しておきたいたいところ。
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統計分布として基礎的な教科書で必ず取り上げられる正規分布が一番有名だろう。ランダムな効果が足し算的に積みあがる量では中心極限定理により正規分布に従うと考えられる。一方、ランダムな効果が掛け算的に積みあがる場合は対数正規分布に従う。本書では複雑なシステムの基本的な分布は、対数正規分...
統計分布として基礎的な教科書で必ず取り上げられる正規分布が一番有名だろう。ランダムな効果が足し算的に積みあがる量では中心極限定理により正規分布に従うと考えられる。一方、ランダムな効果が掛け算的に積みあがる場合は対数正規分布に従う。本書では複雑なシステムの基本的な分布は、対数正規分布だとしている。 本書では地震の大きさや高所得者の所得などで見られる冪乗分布は対数正規分布からの「ズレ」として解釈されている。冪乗分布(power law)こそが複雑系の基本原理だと考える研究者のほうが多いのではなかろうか。その点、若干の疑問が残る。
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ランキングプロットは、累積個数分布ともいう。頻度分布を累積したものである。 複雑系の共通した特徴は歴史性にあり、歴史性は乗算過程的であると考えれば、それは対数正規分布だと言える。対数正規分布は、標準偏差が平均値に比べて小さいと正規分布に近づき、大きいとべき乗分布に近づく。
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