商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 関西学院大学出版会 |
発売年月日 | 2019/09/30 |
JAN | 9784862832856 |
- 書籍
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ソウルを歩く
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ソウルを歩く
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タイトルと、はじめに、と意気込みは、万人向けな感じだが全体を通してはそう言うわけでもない。 1.新村 大学、名門延世大学のマウル学概論という授業、 町と地域で行われる政治、経済、社会問題にはどのようなのがあるか?誰がどう解決することができるか?街と地域コミュニティーとはどういう...
タイトルと、はじめに、と意気込みは、万人向けな感じだが全体を通してはそう言うわけでもない。 1.新村 大学、名門延世大学のマウル学概論という授業、 町と地域で行われる政治、経済、社会問題にはどのようなのがあるか?誰がどう解決することができるか?街と地域コミュニティーとはどういう場所でどういう観点から認識することができるのか?と言う問いかけをし答えることで大学がある地域を始めソウル市や、韓国全体P世界の街、コミュニティー空間のメッセージを理解することが目的の授業。地域に根ざした市民政治教育、つまり民主市民としての資質を形成し教育の場として地域を活用し共同体への参加を活性化するものだそうだ。 マウル学(マウルは町)、市民政治教育 ソウルや韓国全土でどのくらい普遍的なのかわからないが今のポンコツ日本社会、全く民主的じゃない日本の政治社会状況に、必要な考えでありツールだと思う 2. ジェントリフィケーション ソウル市鍾路区西村(ソチヨン)における、古い街のジェントリフィケーションという名の、蘇生に名を借りた再開発というようなやや複雑だがこれまで読んだソウルの住宅に関する問題や漢江を挟んで南と北、新と旧エリアの問題などと併せ考える頭の体操。 3. 西大門ソデムン 記憶の場としての西大門刑務所。 このような近現代の刑務所のような、センシティブな建物を単なる建物ではなく、記憶の場として残し見せる。こういうところ、韓国すごい。歴史社会政治に参画する(少なくとも日本よりずっと)土壌はこういうところにもあるか。忘れたい日本人忘れようとする日本人には記憶の磁場はない、物理的にも内面的にも消し去られ、個の記憶としてのみ無為にかろうじてとどまるだろうか。 そんなことを感じたが、西大門刑務所歴史館行ってみたい。そこであらためて感じたり考えたい。 4.インターネット空間 インターネットとジャーナリズム。 オンラインとオフラインの強い結びつき、発展形態は、韓国カルチャーの拡大にも影響を及ぼしたと思う。進化ではなく、深化とかいてある。これも日本ができたはずなのにこの失われた30年にしくじったことだなあ。 そしてさらに深刻なのは、ジャーナリズムのほう。 ジャーナリズムとは、市民の知る権利の代行をしているものである、と明確に書いている。 ジャーナリズムは、従事する人間の姿勢、哲学、思想などが活動の基礎となるそして社会の中で実践されるものであるから歴史的に培われてきたルールや原則があるものである、とさらに明快に定義されている。 ジャーナリズムの原則9ヵ条。 インターネットとジャーナリズムの公共圏、市民ジャーナリズムなど、玉石混交よいものばかりではなく真の公共性を持つものばかりでもなく、よくあるネットの闇も含め、網の目の張り具合もなかなかのようで面白い。 5. 清潭洞チョンダムドン、江南 消費文化の最先端、江南エリアの発達。観光拠点としての発展。 観光の役割の変化。 疑似観光の拠点。この辺りの分析戦略先取り感とセットで、韓流ブーム(という捉え方自体がたぶん狭すぎてダメだったのでは)韓国カルチャーの世界進出の一因かなと思う。 6. 梨泰院 グローバルシティソウルの多文化主義 7. 清涼里、ミアリ、集娼村とミソジニー いずれも日本による植民地化その帰結としての朝鮮戦争に強い関わりがある問題。女性の分断。 8. 新大久保 エスニシティ はみ出す韓国、はみ出さずにはいられない韓国を身近にかんじる。 他にもコラムがいくつかあり小劇場、演劇、ミュージカルのある大学路、ソウル広場と光化門、 ソウルで見かける教保文庫などの大型書店と子どもが大好きなサバイバルシリーズ学習マンガ、世界中で見られている質の高い韓国映画と大型映画館そしてミニシアター独立映画館(ソウル劇場内のインディースペース、映画振興委員会が運営するインディープラス、シネキューブ光化門、大学の中にあるミニシアター (梨花女子大学内アートハウス モモ、建国大学内のKUシネマテーク) シネコンに併設されたCGVアートハウス狎鴎亭専用劇場、江南のメガボックスアートナイン、などのシアターの名前だけでも大変貴重な情報。 総じて学術的アプローチの各論文であるが内容によっては親しみやすくまた本当にソウルの旅、街歩きに深度を加えてくれる素晴らしいガイドにもなっている。 書店ではあまり見ないかもしれないが図書館にこういうのがあるのは助かる。
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