商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2019/09/26 |
| JAN | 9784105901608 |
- 書籍
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ケミストリー
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
大学院で化学の道を歩むリケジョ。彼女のルーツは中国にあり、移民としての悩みと、自身の化学の才への懊悩とを抱きながら、彼氏のプロポーズに悩んでいる……という話。 「こじれたリケジョ」と背表紙の紹介文にあるのですが、私は「こじれた」というよりも、彼女の苦しみはひとりの人間としての立...
大学院で化学の道を歩むリケジョ。彼女のルーツは中国にあり、移民としての悩みと、自身の化学の才への懊悩とを抱きながら、彼氏のプロポーズに悩んでいる……という話。 「こじれたリケジョ」と背表紙の紹介文にあるのですが、私は「こじれた」というよりも、彼女の苦しみはひとりの人間としての立派な悩みのように思えて、こじれているとは感じませんでした。 あっさりすっきりした書体もさることながら、ところどころに差し挟まれる精神科医との問答や、化学的知識などが「自分ひとりでは知り得なかった」世界の味方を示してくれる感じがして、ずっとワクワクしながら読み進めていました。 ストーリーだけを考えると単調で、それこそ(読者にとっての)大きな起伏は無いのですが、「自分とは違った視点で世界を見る」という、それこそ、ザ・読書の醍醐味的な味わいが深く、「大学院で化学を専攻する人の頭の中」から世界を見れたような気がして楽しかったです。 個人的には、 【ご両親のために生きるというわけにはいきませんよ。やがては、親は死ぬんですから。 死なないでほしいです。だって、死んでしまったら、わたしはひとりぼっちになります。】 ー 222ページ引用 というやりとりが印象的でした。 家族を大切にする中国ならではの精神性、と言う風な位置づけで書かれているのだと思うのですが、結構日本人にとっても近い精神性のような気がしています。
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ケミストリー、恋愛、学問、両親、様々な触媒によって生じる大学院生の中国人女性科学者の心の化学反応が描かれる。献身的な恋人からのプロポーズを素直に受け入れられず、科学者への道も閉じられようとしている。大学院をやめたいと相談した母親からは「あんた自分を何様だと思ってるの? 学位がなけ...
ケミストリー、恋愛、学問、両親、様々な触媒によって生じる大学院生の中国人女性科学者の心の化学反応が描かれる。献身的な恋人からのプロポーズを素直に受け入れられず、科学者への道も閉じられようとしている。大学院をやめたいと相談した母親からは「あんた自分を何様だと思ってるの? 学位がなければ、あんたなんかあたしにとっては無価値よ。」と罵られる。母の支援で米国で博士号を取得し職を得た父は家族を蔑ろにする。恋人や両親の期待に応えられず、迷い悩んだ時、壁の前に立ちすくみどこへも踏み出せない主人公の姿が痛々しく綴られる。
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中国系アメリカ人で、化学を専攻する博士課程に在籍する女性の一人語り。 「普通に完ぺきな」彼氏エリックへの劣等感、中国からアメリカへ渡った両親に対する、表向き反感でも心の底にある敬愛と尊敬、随所に現れる物理や化学の知識を交えたユーモア。 根底に流れる「自分が何者であるか」が、自...
中国系アメリカ人で、化学を専攻する博士課程に在籍する女性の一人語り。 「普通に完ぺきな」彼氏エリックへの劣等感、中国からアメリカへ渡った両親に対する、表向き反感でも心の底にある敬愛と尊敬、随所に現れる物理や化学の知識を交えたユーモア。 根底に流れる「自分が何者であるか」が、自明ではないことによる苦労が、その軽快な文章によって逆に際立っていた。 他方、日本語に翻訳した際に:(コロン)を多用する書き方に、少し読みづらさが感じられた。
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