商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2019/09/18 |
JAN | 9784622088318 |
- 書籍
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マツタケ
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マツタケ
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
スーパーで見かけるが、日常の食卓にのせるのは勇気が(ちょいとお高い)いるうえに、ほとんど料理したことが無いから結局どうしたらよいかわからないまま、隣のエリンギを買う。そんなマツタケにこんな広がりがあるとはと驚いた。元々森林破壊によりマツが増え、マツタケも増えるという。ある意味人間...
スーパーで見かけるが、日常の食卓にのせるのは勇気が(ちょいとお高い)いるうえに、ほとんど料理したことが無いから結局どうしたらよいかわからないまま、隣のエリンギを買う。そんなマツタケにこんな広がりがあるとはと驚いた。元々森林破壊によりマツが増え、マツタケも増えるという。ある意味人間とともに歩んできたというのも意識の外にあったが、マツタケ採取人、流通させる人や組織、最終消費者のそれぞれの関わりが本当に面白く一気に読めた。「マルチスピーシーズ民族誌」の名著だが、学術書と思えないほど文章も平易で読みやすい。
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マツタケをアクターにしながら、人間が攪乱した地球上で生きていく、というこの時代について語ってる。 タイトルにある「生きる術」というほどの実用的なアドバイスがあったとは思わないけれど、マツタケが荒廃した大地でどう生き残っているかという自然界の逞しさ、とか、マツタケを採る人たちの...
マツタケをアクターにしながら、人間が攪乱した地球上で生きていく、というこの時代について語ってる。 タイトルにある「生きる術」というほどの実用的なアドバイスがあったとは思わないけれど、マツタケが荒廃した大地でどう生き残っているかという自然界の逞しさ、とか、マツタケを採る人たちの置かれた環境や歴史的な背景、あとは、マツタケの国際的な市場構造とその趨勢が象徴するグローバリズムと資本主義の行方、というあたりが面白かった。 人新世といわれる概念を、ここまで幅広く面白い切り口で指摘してる本は初めてでした。 #bookworm #マツタケ #読書感想文 #人新世
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オレゴンの国立公園の森では、秋になるたびにカンボジア移民が臨時の村を形成して、日本へ輸出するためのマツタケを採集しているのだという。本書を読むまで想像もしなかった。そんな、各地の「マツタケ経済」に取材した本。 文化人類学をベースに、世界中のマツタケ産地での調査行のエピソードを...
オレゴンの国立公園の森では、秋になるたびにカンボジア移民が臨時の村を形成して、日本へ輸出するためのマツタケを採集しているのだという。本書を読むまで想像もしなかった。そんな、各地の「マツタケ経済」に取材した本。 文化人類学をベースに、世界中のマツタケ産地での調査行のエピソードをふんだんに取り混ぜて語られる。日本への輸出が世界各地でマツタケ採集に始まる経済活動を喚起している、ということ自体を初めて知った。どの地域のエピソードも興味深かった。松茸を採集するという点は一致しているのに、地域ごとにアプローチが異なっている。「スケールしない」「アッセンブリーの一過性」といった表現で何度も説明されているように、地域の歴史と構成員の違いが大きく影響していて、綺麗な理論的枠組みに収まらない。それをそのままに、著者の感嘆とともに提示する文章になっている。 日本のマツタケ研究をさして、アメリカの研究者が「記述的に過ぎ、スケールしないので参考にならない(自分たちの林分管理の手法に対して予測可能性が得られない)」と評して退ける傾向にあると指摘されている。全く耳の痛い話だが、日本の生態学研究、特に保全関連ではその傾向は強い。しかし、文化人類学こそ、そのような記述的なアプローチを根幹としてきた学問だと認識している。この本は、経済学や生物学の分野への文化人類学的なクサビにも見えた。 訳文が下訳のレベルを出ておらず一読して意味を取れない部分が多かったため、電子書籍で原書を購入し不明瞭な部分では原文に当たりながら読むことにした。結果として誤訳や訳文のニュアンスのピンボケだと感じる部分も多かったため、このアプローチで正解だった。
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