漫画家入門

浅野いにお(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2019/09/13
• JAN: 9784480874023

商品レビュー

2025/04/06

面白かった

世間から見れば自由人に見える漫画家稼業も、スタッフや業界の人間との社会的な関わりは会社のソレと同様で、一方でたまたま人生の中で普通の生活に漸近していくターンで日記を書くことになっていて結果的に普通の人間から読んでも気づきの多い内容になっていた。

仕事をするふりしながらネットばかり見たり、何度も見たゲーム実況を流したり、妻よりも価値観の近いスタッフとの話ばかり日記に書かれたりする。漫画家なんて気楽なもんだと思える前半。しかし、後半、全く別の本で、ある作家と背景議論で揉めた話を読んでいたので、自身のムック本で対談相手にその当人を選んだくだりを読んだ時は本当に自分のやり方を信じてる人なんだなと思った。

ゆえに作家自身が作品やその扱われ方がサブカルなるもので一括りに揶揄されるのは(少なくとも自分の周りでは散見される)とても残念に思う

漫画自体がアニメも相まって商業的に巨大になり過ぎて母数の多さのために、漫画自体の産みの苦しさが読者にとってむしろどんどんバーチャルになってるせいかもしれない

2024/12/20

漫画家の日記。なんていうのは基本的に地味で面白いわけがないのでそれはそうなんですが、第4章は少し読み応えがあってよかった。
全体的に卑屈で自意識過剰でドライで読みやすい文章。

印象に残った言葉
そもそも自分は自分を漫画家だと思っていない。人格もない。ただものを作る手だ。

2024/01/13

めちゃめちゃ面白かった。
吉田豪インタビューでの浅野いにおさんも面白かったが、日記も期待通りだった。
女性アシに焦点を当てて、妻である鳥飼茜さんとの三角関係の微かな空気を匂わせたり、エンターテイメントだなあと思う。浅野さんは謎のサービス精神が旺盛だ。当人はしんどいかもしれないけど、読者としてはありがたい。