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勇気ある義人 古在由重セレクション
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 同時代社 |
発売年月日 | 2019/09/03 |
JAN | 9784886838612 |
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勇気ある義人 古在由重セレクション
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古在由重氏の34回忌。戦中戦後を代表するマルクス主義学者・哲学者として、ずっと尊敬してきた。加藤周一は、その告別式で「先生は最後まで初志を貫かれた。勇気ある義人でした」と述べた。 本書は、比較的軽く読めるエッセイを年代順に並べた、氏を知るには格好の書である。 古在由重(こざい...
古在由重氏の34回忌。戦中戦後を代表するマルクス主義学者・哲学者として、ずっと尊敬してきた。加藤周一は、その告別式で「先生は最後まで初志を貫かれた。勇気ある義人でした」と述べた。 本書は、比較的軽く読めるエッセイを年代順に並べた、氏を知るには格好の書である。 古在由重(こざいよししげ)1901-1990年。父は足尾銅山事件で科学者の立場から汚染を立証した古在由直。母は清水紫琴として、植木枝盛、大井憲太郎と交わったこともある古在豊子。氏は、1930年代、治安維持法違反で2度勾留された、戦後に生き残った数少ない戦中反戦知識人。戦後は、学者・思想家として、ヴェトナム反戦運動、原水禁運動などで活躍した。 インタビューで父母のことを言ってる部分は感動的。 知らず知らずのうちにぼくの少年時代から教訓を受けたのは、「自分について人がどう言っているかということは問題ではない」ということでした。(略)父の身の処し方はいつもそのようだったことは、今思っても感心します。 母が死ぬ1週間ほど前にぼくに言ったことがある。「世の中というものは、あんたの考えるようにそう簡単には変わるもんじゃないよ」(1933年最初の由重出獄直後に病死)。 父母共に、古在の運動については反対はしていなかった。この父母ありて息子あり。息子が飛び込んだのは、普通の運動ではない。戸坂潤も三木清も尾崎秀実も殺された運動なのである。古在由重は、生涯を通じてこの父母に続いたと思う。 大学で「華山・長英論集」(岩波文庫)を読んでいた時、氏の文に出逢った。「徹底的な科学精神の所有者だったとともに、実践的な行動力を持つ人間だった」長英評は、そのまま古在由重評に移すことができる。荘厳な大理石の城を想起させる唯物論哲学を主題とする著作と、若い労働者にも読めるように書かれたエッセイの数々。「思想はあつい心臓、つめたい頭脳を要求する」を体現する人だった。 そして獄舎にありながら、39年段階で世界大戦に移行する情勢を予見し、大本営発表新聞の記事だけで、2ヶ月前から日本の敗戦を予測しているし、京都にいる妻子に原爆投下に備えよ、とまで言っている(京都も投下候補地だった事はずっと後に知られる)。安保闘争の中で、「(歴史は)退屈な反復の日々であるように思われるかもしれない。しかし、ときには、新たな事態がすさまじい速さで全面へ広がりはじめ、やがてわれわれ自身をもその中に巻き込んでしまうことがある」と、市民に気づきを与え(2011年、2015年に私たちはその一端を知ることになる)、1982年「草の根はどよめく」を著し、草の根民主主義、統一戦線の重要性を訴えた。 古在由重。現代にこそ必要な知識人だった。 現在、視力が不安定でスマホや新聞がとっても読み辛くなっています。「いいね」返しができません。既読スルーをしていただけたら助かります。
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