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月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史 講談社選書メチエ707
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月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史 講談社選書メチエ707

サーシャ・バッチャーニ(著者), 伊東信宏(訳者)

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月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史 講談社選書メチエ707

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2019/08/10
JAN 9784065168554

月下の犯罪

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商品レビュー

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2025/01/27

 著者は1973年生まれのスイスに住むジャーナリストだが、ハンガリーでは有名な家系の一族であった。そんな彼がある日、1945年3月、オーストリア国境の街レヒニッツで、大伯母が180人のユダヤ人虐殺に関わったという内容の新聞記事を読んだ。それは本当のことなのか、彼は、過去の歴史への...

 著者は1973年生まれのスイスに住むジャーナリストだが、ハンガリーでは有名な家系の一族であった。そんな彼がある日、1945年3月、オーストリア国境の街レヒニッツで、大伯母が180人のユダヤ人虐殺に関わったという内容の新聞記事を読んだ。それは本当のことなのか、彼は、過去の歴史への旅に向かう。  本書の始まりの部分を読んたときには、大伯母の事件への関与の真相が解き明かされていく、そのプロセスが描かれるのかと思って読んでいたのだが、本書の主筋はそこではなかった。  「自分が死んだら燃やしてやして欲しい」と頼まれていたのに、彼女が書いたノートや手紙を保管していた父から、祖母の遺した書き物を彼は受け取る。断片、断片に記されていたのは、戦時中に彼女の身近で起きたユダヤ人に関わるある出来事と、それが彼女に与えた苦悩だった。    戦争に初めて正面から向き合うこととなった彼は、従軍後の10年をソ連の収容所で送った祖父、戦後の共産主義下ほとんどの財産を失った祖母の足跡を追いかけながら、遂にはアウシュビッツから生還しブエノスアイレスに住む祖母の幼なじみアグネスのところまで出かけていく。  調査を進める著者の心象は何かヒリヒリしたものがあり、特に不器用な関係しか持てない父と行ったロシアでの収容所を巡る旅では特にそのように感じた。祖母の手記とアグネスの回想を通してある事実が明らかになったとき、著者は何を思い、それにどう向き合おうとするのか。それこそが本書のキモなのだろうな。「私の関心は時が経つうちに変化したからだ。本当のところ何が起こったのかをはっきりさせる、ということはだんだんどうでもよくなっていった。……今や問題は私自身だ」(32頁)。 本シリーズとしては異色の一冊。  

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2024/05/31

ブダペストに駐在している時に読んだ。 ハンガリーに住んでいなければ決して手に取らなかった本。 作者の「バッチャーニ」という名前が懐かしい。 ドナウ川を挟んで向こう岸に壮麗な国会議事堂が見える公園が、バッチャーニ広場というのだ。 そこから程近いところに日本料理があり、良くお世話にな...

ブダペストに駐在している時に読んだ。 ハンガリーに住んでいなければ決して手に取らなかった本。 作者の「バッチャーニ」という名前が懐かしい。 ドナウ川を挟んで向こう岸に壮麗な国会議事堂が見える公園が、バッチャーニ広場というのだ。 そこから程近いところに日本料理があり、良くお世話になった。 前半は素晴らしい。 歴史に秘められた謎の提示が見事だ。 だが、後半は失速。 何を書きたいのか作者が視点が定まらない。 その意味で、評価は星二つ。 本に出てくるレストランにも行ってみた。 ハンガリー料理は美味しい。 グヤーシュ、ナマズの唐揚げ、フォアグラ。 だが、塩分は世界トップ5に入る。 食べ過ぎ注意の国なのだ。 ワインも素晴らしい。 ただ、生産量が少ないので、ハンガリー内で消費されてしまうのだ。 唯一、日本でも有名なのは、フォアグラのお供、貴腐ワインの「トカイ アスー」位だろう。

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2019/09/05

第二次世界大戦中、ある虐殺事件に、自分の家族が関わっていたかもしれない……ということを知った日から、著者の旅は始まる。 まるで映画やサスペンス小説のように話が進んで行くが、ラストがもやもやとしたまま終わるところで、改めて『これはフィクションではない』ということを思い出す。 本書は...

第二次世界大戦中、ある虐殺事件に、自分の家族が関わっていたかもしれない……ということを知った日から、著者の旅は始まる。 まるで映画やサスペンス小説のように話が進んで行くが、ラストがもやもやとしたまま終わるところで、改めて『これはフィクションではない』ということを思い出す。 本書は構成にしろ文体にしろ、かなりフィクションを意識しているんじゃないか、と思える。

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