商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2019/07/06 |
JAN | 9784000613484 |
- 書籍
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止まった刻 検証・大川小事故
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止まった刻 検証・大川小事故
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
なんて残忍な‥‥で終わらせないところがよかった 南海トラフについて騒がれていたり避難訓練したりしても、体は動いていても頭は動いていない自分 想定外をいかに考えられるか
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
石巻市の大川小学校について、地元紙・河北新報が特集した記事をまとめたもの。岩波出版からの刊行。 大川小学校のこの件については個人的に興味があって。これ以外の関連書籍も読んだこともあるし、実際に大川小学校跡地の記念館にも行ったことはある。 その上で…発生当時に起こったことを聞き取りをまとめた部分、そして一審の仙台地裁までの判決の部分を読んでてのイライラ感は…他書籍や現地記念館を見て感じたものとほぼ同じ、と言っていい。 学校側が明らかに何かを隠している、それは間違いがない。それがおそらくは学校教員間の意思疎通などであったり、学校と地域の意思疎通であったりにあることは状況証拠的に予想されるもの。 それを明らかにしてほしい、というのが提訴につながった、それはすごく理解できる感情。 ただ…そういう問題は大川小学校だけに特有の問題か、というと恐らくそうではない。 それがあまりに不幸に重なったのだろうと予想されるのだけど、それを云々したところでそういう問題が根絶できるわけでもないし、 かえってそれを明らかにしない方がいらない禍根を残さないだろう、と考える側の気持ちが全く分からないわけでもない。 結果的に石巻市の側は一切情報を出さない方向で動き、地裁は「津波が来ることは、津波到達の6分前には十分把握できたはずなのに、適切な動きができなかった」ことから賠償責任がある、とした。 まあ…責任なし、とはならないにせよ…結果的に真相究明にはほど遠い判決にもなった。 これは現地記念館や他の書籍を読んでての印象とほぼ同じ印象をうけるもの。 で…この書籍の特徴はその先、2018年の二審・仙台高裁の判決の意義を掘り下げようとしてる部分なんだと思う。 これ以上、石巻市側が口を割らないことは理解した上で、仙台高裁の判決が問うたのは、津波到来6分前の判断の是非ではなく、 「大津波がもし来たら?ということを想定した避難先を、震災前に考える機会はあったのに、それをしなかった」ことの責任を問うて、賠償責任がある、と結論づけた。 確かに…厳しいことを求めているな、という印象も持たなくはない。 ただ…例えば、津波を意識して防災計画を見直せ、という例示に、海のない山梨県の防災計画例を提示するような「そりゃねえわ…」という行政側の瑕疵もあり、東日本大震災以前に、宮城県沖地震の震源すぐそばの自治体がする仕事としてはあまりにお粗末なのも事実。 そして…ここを罪に問うことで、 様々な災害が起こりうる、他の自治体の学校に対しても今後の対策が求められる。 その意義を強調し、それに触発された他自治体の動きを取り上げて、この本は締めくくられている。 遺族にとって、1審・2審とも前を向ける判決でもなく、情報開示でもない。そこは疑いようがない。 ただ…そこで問題提起されたことが、せめて第三者にとっては得るべき部分もあったのではないか、というのが河北新報なりの解釈なのかな、と。 それが正しい解釈なのかは…よくわからない。 ただ…こういう「どれも100点の答えにはならない問い」に答えを出すのって学校は苦手。 それを学校外の組織から方向付けしてもらえたのは…最悪な状況の中での一縷の望み、なのやもしれない。
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大川小学校の事故のことは知っていたが、詳しく知ろうとはしていなかった。この本を読み、なぜ検証が大事だったのかがわかった。
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