商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2019/06/27 |
JAN | 9784863853676 |
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惨憺たる光
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惨憺たる光
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商品レビュー
4.5
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『ストロベリーフィールド』 ビートルズの曲とジュードという不安定な男について主人公もまたわかろうとしても遂にはわからなかった 短編集はこの作品から始まった ペク・スリン、わくわくしすぎて大切に読んでゆきたい 『時差』 なんでこんなにざわざわするのだろう だれかのつけを払いながらグ...
『ストロベリーフィールド』 ビートルズの曲とジュードという不安定な男について主人公もまたわかろうとしても遂にはわからなかった 短編集はこの作品から始まった ペク・スリン、わくわくしすぎて大切に読んでゆきたい 『時差』 なんでこんなにざわざわするのだろう だれかのつけを払いながらグッドライフをおくる彼女と旅するヴィンセント なぞはなぞのまま残る ヴィンセントは誰だったのだろう 『夏の正午』 まずまずの大人となって生活している女性が思春期に出会い好きだった兄の友人に再開しようとする きっかけはふと観た映画にでてくるパリのカフェ 彼と過ごしたそのカフェにゆく 兄の友人には会わなくても気持ちは満ちる 回想の物語 『初恋』 就職難の時代に取り残された大学同級生が単純作業のアルバイトをするために再会する プーシキンの引用がラストを引き締める 『中国人の祖母』 あの大きな月の下での祖母と話したのは本当にあったことだろうか すべてが夢のようであるけれど匂いが伝わってくる名作 寂しさを寂しいとも語らないひと そんなひとのこころをすこしだけ見る思いがした 『惨憺たる光』 ここにも怖ろしい孤独を誰にも言えず 他者の孤独の告白にひとことも答えられなかった男がいる 彼は強烈な光に刺されるひと 惨憺たる光 『氾濫の時』 ヴェネチアで違法民宿をする将来を嘱望された若い画家と妻 変わり果て、一筋のひかりさえ見つけることができなくなった 栄光から見捨てられた過去のまちヴェネチアと同じ惨めさ 『北西の港』 失望と偶然 失明を目前にして一瞬の美しさに沈黙する 彼はレナの母の話しと絵をみて 父親と母親の知らなかった孤独を見つける 『途上の友だち』 ここまで読んできて著者のメッセージがはっきりと伝わってくる 内なる孤独と恐れをいだきながらも前に進むしかない たとえもうあなたと会うことはないにしろ 『国境の夜』 とにもかくにもひかりさす方へ ようやく最後の作品で希望が示される とっても奇妙でユーモラスな状況だけど。
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ペク・スリン(白秀麟,백수린)の短編集。どの作品も自分の影や人の影を追いかけて見せてくれる。影、悲しみ、孤独などを。ピーンとした硬質な小説に感じる。どれも心にしみる作品だった。
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過ぎ去ったものへの哀切、愛おしさ。なんとも言えない血縁にも生まれる愛着。どれもよい。ほとんど似ているけれど競争主義の度合いが違うのかなとか、異国へのエキゾチシズムも感じられるのもよい。 とりわけ「夏の正午」「惨憺たる光」「氾濫のとき」「途上の友たち」「国境の夜」が印象に残った。
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