アンバランス 文春文庫

加藤千恵(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2019/06/06
• JAN: 9784167912987

商品レビュー

2024/03/16

加藤さんの長編、久々に読んだ。
この夫婦は最後どうなっていくんだろう。続きが知りたかったけど、この終わり方がよかったのかも。
急に突き落とされた絶望から、歪なまま、少しずつ日常に戻っていく。そして最後、バランスを崩し音を立てて崩れていく。この中で揺れ動く心情の表現が素晴らしかった。

2024/02/13

自分に重ねて、
吐き気がするほど、
身に染みる話だった。

大好きだよ。君しかいない。
と、言うのに、
欲情されない辛さ。

「不能」を責める事は
パートナーであれ、タブー。

自分の知らないところで
"気持ちは無い浮気"をされる裏切り。

それならば。と、
自分も暴挙に出ざるをえない、
心の切迫感。

読み進めながら、なぜタイトルが
「アンバランス」なのか、
度々考えていたけれど、
最後のP204以降、ラストまでの
築いてきたもの総崩しにする
主人公、日奈子の叫び。

「オセロが白から黒になるように。」

まさに。

妙齢の女性の心理を描くのが、
本当にお上手でした。

2022/08/27

いやそんな10何年も大事な話ほっとかないで早く話しなさいよという…。子なし専業主婦で食洗機やらウォークインクローゼットやらなんやらまである暮らししといてって思ってしまいました。しかも帰宅は深夜、休日出勤出張まである旦那なのにそのあいだなにしてたんだろう…。僻みか？しかし、まったくリアルでないと思えるくらいには歳とったな…。