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暴力と輝き 〈叢書〉人類学の転回
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暴力と輝き 〈叢書〉人類学の転回

アルフォンソ・リンギス(著者), 水野友美子(訳者), 金子遊(訳者), 小林耕二(訳者)

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暴力と輝き 〈叢書〉人類学の転回

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2019/05/01
JAN 9784801004092

暴力と輝き

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2023/08/20

「暴力に分別などない、とわたしたちは言う。ところが暴力とは、知りたいという強い欲求であると同時に、知ることの喜びでもある。」(213) ――― 元ペンシルベニア州立大学哲学教授、哲学者・翻訳家であるアルフォンソ・リンギスの論考集。文化人類学、芸術、哲学など領域横断的にリンギス...

「暴力に分別などない、とわたしたちは言う。ところが暴力とは、知りたいという強い欲求であると同時に、知ることの喜びでもある。」(213) ――― 元ペンシルベニア州立大学哲学教授、哲学者・翻訳家であるアルフォンソ・リンギスの論考集。文化人類学、芸術、哲学など領域横断的にリンギスの思考が展開される。 具体的な事例をいくつか上げると ・リンギス自身が赴いたリオデジャネイロのカーニバルや、パプアニューギニアのマウントハーゲン・ショーに関する考察 ・精神病院患者の作り出す「アール・ブリュット」や、彫刻家アントニー・ゴームリー、チャップマン兄弟の作品論 ・ハイデガーの存在論・道具論批判 などが含まれている。 リンギスは、目的化も、道具化も、物語化もされていない力に輝きを感じているように思われる。ただ繰り返される波の揺らめきや光の反射、目的や効率から手や足を解放するダンスのような運動が、意味や解釈を超えて、生きる活力を与える(仮に、集団的なパフォーマンスの「意味」を解釈しようとすると、周期的なリズムが鈍り、そこで生み出される活力は奪われてしまう)。過去も未来も志向せず、現在のただなかで、どこにもたどり着くことのない運動であるダンスが、まばゆい「輝き」を放つのだ。 個人的には「触れること」の節で論じられていた「タクト(気配り・機転)」という概念が面白かった。 「「気配り(タクト)」という言葉は軽い接触、柔軟で臨機応変な接触、そして遠慮することを意味する。それは、手で触れられるものや他者を理解、占有、操作することに関わる接触(タッチ)とは対照をなす。」(158) タクトは受容性のあり方であり、他者の感じていること、夢見ていることに耳を澄ます沈黙から生み出される。とりも直さず、それは人との関係だけでなく、実在する「もの」との適切で簡潔なつながりをもたらす。ウェブサイトやブログ、SNSでは誰もが喋りまくっていて、誰も沈黙することができない。情報は共有され拡散するが、私が人やものと沈黙を共有する(私がタクトを働かせる)場所はどこにもない。沈黙がないのだとすれば、おそらくそこには言葉もないのではないだろうか。

Posted by ブクログ

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