商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2019/04/12 |
JAN | 9784396345105 |
- 書籍
- 文庫
夫の骨
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夫の骨
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商品レビュー
3.6
53件のお客様レビュー
同居していた夫が、高齢の実母が亡くなった途端に無口になり、それまで興味を持たなかった登山を始めた。しかしその登山によって遭難死し、残された妻は夫の遺品の整理を始める。ある日、倉庫の中から小さな箱を見つけ、明けて見ると、そこには子供のような頭蓋骨が納められていた。一体だれの骨なのか...
同居していた夫が、高齢の実母が亡くなった途端に無口になり、それまで興味を持たなかった登山を始めた。しかしその登山によって遭難死し、残された妻は夫の遺品の整理を始める。ある日、倉庫の中から小さな箱を見つけ、明けて見ると、そこには子供のような頭蓋骨が納められていた。一体だれの骨なのか…。 帯に書かれているように「どんでん返し」の短編9本を収めた短編集。怪奇系のホラーではなく、人間の恐ろしさに焦点を当てた作品群である。 この帯が曲者で、「どんでん返し」「結末がわからない」と煽りに煽っているため、読む前からそうなんだよなという先入観を持ってしまうところが辛い。実際にそうだし、3作目くらいから、またそうなるんでしょ?という気分で読んでしまうので、楽しめないのである。この帯を作った編集者はバカなのか? また、作品も1作目を読んだときは、よく出来てるなあと納得していたが、2作目、3作目と話の作りが同じなのはいかがなものか。 1)現状の生活での違和感 2)過去に遡ってきっかけのようなものが描かれ 3)現在で懸念が明らかになり 4)種明かし、という、怪談のテンプレートの流し込んで自動で作られたような話が続くので、3作目くらいから展開が完全に読める。 更に、幼少期または就職前後までにひどい目にあってきた女性の話、キーとなる動機が誰かの妊娠という、同じ背景パターンを半数以上の作品で使っているのもいかがなものか。 唯一『鼠の家』だけがそのパターンから少し外れているものの、こちらも貰われ子(女の子)というあたりは同じだ。 表題作だけなら、たしかに面白い。でも、同じパターンを9作品続けて読まされるのは、苦痛を感じざるを得ないし、書き下ろしの最後2つは傍点で話が読めてしまうので読後の感想は「げんなり」でしかなかった。 他のスタイルの作品を混ぜつつ短編集にできなかったのだろうか。「編集の敗北」という言葉以外、思いつかない一冊だ。
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全体的なトーンとしては抑揚がないんだけど、話としては結構ヘビーな話なので、サラッと読み進めそうになるのを自制しながら読んだ。 最後はゾクっとくるような展開がまたたまらん。。。
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読者の見識を巧みに導きながら、こういうことだろうという読みを裏切り、その先をいく展開がどの短編にも用意されている。 所謂「女は怖い」的な話が中心と思いきや(それも多いんですが)、フッと胸が軽くなるような話もあり、その緩急が短編集として単調になることを防いでいる。 やや気になった...
読者の見識を巧みに導きながら、こういうことだろうという読みを裏切り、その先をいく展開がどの短編にも用意されている。 所謂「女は怖い」的な話が中心と思いきや(それも多いんですが)、フッと胸が軽くなるような話もあり、その緩急が短編集として単調になることを防いでいる。 やや気になったのは、ミスリードさせようとする意図のようなものが話によっては少し強く感じた点。 秀逸だったのは表題の「夫の骨」。タイトルに込められた意味が読み始めと読後で全然違うという、優れたミステリーのお手本のような一編。
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