商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2019/03/22 |
JAN | 9784103524311 |
- 書籍
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カゲロボ
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カゲロボ
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商品レビュー
3.5
89件のお客様レビュー
ロボットがテーマの短編が9つ収録されている短編集。 「カゲロボ」という人間そっくりなロボットがこの世界にいるらしいという噂から1つ目の物語は始まる。短編を読み進めるごとに、この作品の世界でロボットの立ち位置が変遷している様子がうかがえる。 連作短編集とまではいかないけれど、短編同...
ロボットがテーマの短編が9つ収録されている短編集。 「カゲロボ」という人間そっくりなロボットがこの世界にいるらしいという噂から1つ目の物語は始まる。短編を読み進めるごとに、この作品の世界でロボットの立ち位置が変遷している様子がうかがえる。 連作短編集とまではいかないけれど、短編同士の繋がりもみられた。 物語の設定や展開は平和でないものばかりなのだが、木皿さんの作品をドラマや小説で見たり読んだりする中で感じる優しさを、今作でも感じることができた。 押し付けがましくなく、すとんと心に落ちるような、そんな優しさだ。 特に後半は個人的に印象に残ったり、はっとさせられる文章があったように思う。 終盤のメッセージもとても素敵だなと思ったし、他の短編との繋がりがあって良かった。 一方で、特に前半はこの物語の世界観がよく分からないまま進んでいた感があり、物語に入り込みにくい部分もあった。 また優しさはありつつも、これまでの作品や可愛らしい表紙とは対照的に内容の不穏な感じや得体の知れないロボットの不気味さも所々あり、戸惑いもあったかもしれない。
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木皿泉さんといえば、クスッと笑えるけれど、なんともいえない奥深いものを残してくれるドラマや小説…といったイメージ、それにこの表紙から、もう楽しむ気満々で読み始めました。 でも、今回の木皿泉さんは全然違う! 人間そっくりのロボットが職場や学校に入り込み、イジメや虐待がないか監視して...
木皿泉さんといえば、クスッと笑えるけれど、なんともいえない奥深いものを残してくれるドラマや小説…といったイメージ、それにこの表紙から、もう楽しむ気満々で読み始めました。 でも、今回の木皿泉さんは全然違う! 人間そっくりのロボットが職場や学校に入り込み、イジメや虐待がないか監視している、それがカゲロボ。 読み始めは都市伝説のようだったカゲロボ。 それがどんどん読み進めていくうちに、世にも奇妙な物語的な世界観になったり、ものすごく現実的っぽかったり…。 短編集で、それぞれのお話でカゲロボは違う形で登場してくるのですが、人間の弱かったり狡かったりする心を抉ってくるのです。全くクスッとはできません。 作中、何度か苦しみの象徴に蓋をして、縫い込み、見えなくしてしまうという場面が出てきます。それは、ザックリと開いた傷口を縫って、もう一度やり直せということ。小説家はいつも針と糸を持ち歩いて、破れたところを見つけたら、とにかく縫うのが仕事だと。 だから私はいつも小説に救われているんだなぁと、そんな風に思いました。 カゲロボは本当にいたのか?自分自身が作り上げた幻想なのか?なんとも不思議なお話でした。
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ご夫婦で脚本家をされているお2人の小説第3作目の作品。 人間そっくりなロボットが人間社会に紛れ込んでいて密かにターゲットを見張っていると言う嘘かまことか不明な都市伝説に沿った話から始まる短編集。 そっくりロボットは人間にとどまらずネコや金魚や鉄の箱や痴漢の指などなどまで笑 肌 ...
ご夫婦で脚本家をされているお2人の小説第3作目の作品。 人間そっくりなロボットが人間社会に紛れ込んでいて密かにターゲットを見張っていると言う嘘かまことか不明な都市伝説に沿った話から始まる短編集。 そっくりロボットは人間にとどまらずネコや金魚や鉄の箱や痴漢の指などなどまで笑 肌 足 目 声 指 顔 汗 影 傷 の9篇から成っているちょっと不気味で怖いけどドキッとする真実味も醸している♪ さらっと読み終えることができるけれど、それぞれの篇にドキっとさせられる箇所が散りばめられていて結構じっくりと考えながら読まれされてしまった。 まるで絵空事とも言い切れないのを現実社会現象から受け取る昨今だけに! そしてエピローグ部分とプロローグ部分とがきちんと繋いであるのもなかなかでした。
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