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もうひとつの『異邦人』 ムルソー再捜査 叢書《エル・アトラス》
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もうひとつの『異邦人』 ムルソー再捜査 叢書《エル・アトラス》

カメル・ダーウド(著者), 鵜戸聡(訳者)

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もうひとつの『異邦人』 ムルソー再捜査 叢書《エル・アトラス》

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2019/01/25
JAN 9784801002432

もうひとつの『異邦人』 ムルソー再捜査

¥2,200

商品レビュー

3.4

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2024/05/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

「つまり僕の兄がアラブ人になってそのために死ぬには、君の主人公のまなざしが必要だったのだ」という一文にすべてが集約されているように思う。カミュの異邦人で主人公ムルソーが海辺で殺した「アラブ人」には名前がない。それが兄だったという設定で語られる、アルジェリア人作家の作品。植民地における宗主国側のフランス人と被抑圧者だったアルジェリア人の関係から、カミュの物語を捉え直す。 焼けつくような太陽の光と虚無感、母親の死。それが一人の「アラブ人」の命を奪う理由になるならば、この物語の主人公が、抑圧者だったフランス人を殺したことの方により多くの理があるのではと、いや、そもそも殺人に正当な理由などなく、文学的表現で一冊の本に仕立てたカミュの作品の真価を問えば、やはり「不条理」に行きつく。抑圧者だったフランス人を殺したこの主人公も、アルジェリア戦争の間には抵抗運動に参加していなかったことを同胞に責められる。戦争が終わってからの殺人に意味はあるのかと。カミュの作品の裏返しで、これも不条理なのだと解釈できる。母親が主人公に及ぼす精神的な影響の大きさという意味でも並べて読める。冒頭の「今日、マーはまだ生きている」がカミュの異邦人と好対照。

Posted by ブクログ

2024/01/16

最初は独特の文体に阻まれて中々読み進められませんでしたが、 途中物語が急展開を見せたあたりからどんどん引き込まれて行きます こちらの本はNHKラジオ番組『毎日フランス語』をきっかけに知りました かつてフランスの植民地だったアルジェリア そこで入植フランス人の子どもとして生まれ...

最初は独特の文体に阻まれて中々読み進められませんでしたが、 途中物語が急展開を見せたあたりからどんどん引き込まれて行きます こちらの本はNHKラジオ番組『毎日フランス語』をきっかけに知りました かつてフランスの植民地だったアルジェリア そこで入植フランス人の子どもとして生まれ育ったアルベール・カミュの『異邦人』を、彼の作品の主人公に殺された被害者の弟の視点から紡ぎ直した物語 言い回しや表現が素敵な文章がたくさんあります。 修飾語につぐ修飾語で長〜い一文になってることも多々ある本作を翻訳された鵜戸様には『ありがとーー!!!』と言いたい笑 この作品を日本語で読めることに感謝!

Posted by ブクログ

2020/07/01

主人公の語りが素敵。渋めのナイスミドル想定で読んでおります。 ところどころ素敵な文句があり、アルジェリアに興味を持ちました。 もう一人のムルソーというか、対はツボなので古書で探します、文庫が出たらほしい。 あとこちらの主人公は母に対しての固執がありましたが、やはりムルソーにも...

主人公の語りが素敵。渋めのナイスミドル想定で読んでおります。 ところどころ素敵な文句があり、アルジェリアに興味を持ちました。 もう一人のムルソーというか、対はツボなので古書で探します、文庫が出たらほしい。 あとこちらの主人公は母に対しての固執がありましたが、やはりムルソーにも、書かれていないだけでこれと同じ位の葛藤があった、とゆー見方でよいのでしょうか。

Posted by ブクログ

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