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失われた時を求めて(13) 見出された時 Ⅰ 岩波文庫
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失われた時を求めて(13) 見出された時 Ⅰ 岩波文庫

マルセル・プルースト(著者), 吉川一義(訳者)

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失われた時を求めて(13) 見出された時 Ⅰ 岩波文庫

1,474

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2018/12/15
JAN 9784003751220

失われた時を求めて(13)

¥1,474

商品レビュー

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2024/08/10

この巻では、戦争が描かれる。アルベルチーヌを失った「私」は、熱病から覚めた人の目で、登場人物たちそれぞれの戦争を視つめる。 自分から戦争に飛び込んで、雄々しく戦うサン=ルー、なんとかして兵役から逃れようと必死で画策する者、周囲の目が戦争一辺倒になっているのを幸に、自らの悪癖に耽溺...

この巻では、戦争が描かれる。アルベルチーヌを失った「私」は、熱病から覚めた人の目で、登場人物たちそれぞれの戦争を視つめる。 自分から戦争に飛び込んで、雄々しく戦うサン=ルー、なんとかして兵役から逃れようと必死で画策する者、周囲の目が戦争一辺倒になっているのを幸に、自らの悪癖に耽溺するシャルリュス、戦争アイテムを巧みに取り込んで、相も変わらずサロンでの夜会に興じるヴェルデュラン夫人。 この辺りの描写は、カミュの「ペスト」を想起させる。 だが、何と言っても読みどころは、巻末で展開される「私」の文学論だろう。 この部分が無かったら、この巻には少々退屈してしまったかも知れない。 この箇所は、いずれ再読してみたい。 『真の人生、ついに発見され解明された人生、それゆえ本当に生きたといえる唯一の人生、それが文学である。 —中略— 作家にとって文体とは、画家にとっての色彩と同じで、テクニックの問題ではなく、ヴィジョンの問題だからである。文体とは、世界がわれわれにあらわれるそのあらわれかたの質的相違を明らかにするものであり、この相違は、意識的な直接の手立てでは明らかにできず、芸術が存在しなければ、各人の永遠の秘密にとどまるだろう。 われわれは芸術によってのみ自分自身の外に出ることができ、この世界を他人がどのように見ているかを知ることができる。 —中略— 芸術のおかげでわれわれは、自分の世界というただひとつの世界を見るのではなく、多数の世界を見ることができ、独創的な芸術家が数多く存在すればそれと同じ数だけの世界を自分のものにできる。』(第七編 「見出された時」)

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2020/04/21

戦時も平時も、本質は変わらない貴族の浅ましさ。 ゲイと戦争。そんな視点があったなんて新鮮。 SMシーンに続いての、シャルリュスの老いの描写はみごと。 この巻の最後の100頁余りの記述は、文学の存在する根拠を示す。 作品のクライマックスである。 主人公が文学を、生の意義を取り戻...

戦時も平時も、本質は変わらない貴族の浅ましさ。 ゲイと戦争。そんな視点があったなんて新鮮。 SMシーンに続いての、シャルリュスの老いの描写はみごと。 この巻の最後の100頁余りの記述は、文学の存在する根拠を示す。 作品のクライマックスである。 主人公が文学を、生の意義を取り戻す瞬間は、息をのむようだ。 「真の楽園は、失われた楽園だからである」。

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2019/12/19

最終篇「見出された時」の前半。書名と対応する副題の通り「失われた時を求めて」全体の解決編。作家をこころざしながらうだうだやってた主人公がようやく文学の何たるかに気づいて、やっぱりうだうだ語っている。解決編でも平常運転。 さて、いよいよ次で最後の巻です。

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