商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草風館 |
発売年月日 | 2018/12/01 |
JAN | 9784883232024 |
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暗礁
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暗礁
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1871年11月、宮古島から琉球に納税をした帰り、宮古島の島民の他、琉球の商人など69名を乗せた船が季節外れの台風に流されて、台湾の岸で座礁する。 当時台湾には番人と呼ばれる原住民族がおり、一部は清朝の統治の下にあったが、台湾の南部はその範囲の外にある、生番と呼ばれる人々の部落が...
1871年11月、宮古島から琉球に納税をした帰り、宮古島の島民の他、琉球の商人など69名を乗せた船が季節外れの台風に流されて、台湾の岸で座礁する。 当時台湾には番人と呼ばれる原住民族がおり、一部は清朝の統治の下にあったが、台湾の南部はその範囲の外にある、生番と呼ばれる人々の部落が点在していた。 当時の台湾原住民族は、島外からの侵入者との争いも起こしており、侵入者を殺す、首を切るなどの事件も起こしており、耳たぶに穴を開けて木片を通していた外見もあって大耳生番と呼ばれて恐れられてもいた。 島に流れ着いた宮古島と琉球の人たちも生番の人々に遭遇する。しかし、意外にも生番の人たちは攻撃的ではなく、一度は彼らの部落に案内し、食事を貰い、一夜を過ごさせてもらうが、噂による恐怖心と言葉が通じない不安感から疑心暗鬼に陥り、部落から逃走、結局は追ってきた生番と争いになり50名以上が殺されてしまう。 歴史上の事件である宮古島島民遭難事件を台湾人であるパタイが、船の座礁から、殺戮を逃れた人々が保護されて琉球に送られるまでの経緯を、実際に遭難して殺されてしまった宮古島島民の野原と、遭難者を一度は受け入れた生番のカルル、アルク、そして小説上の架空の人物であるアディポンという双方の視点から交互に描いている。 生き残った人々、台湾の生番の人たちそれぞれの証言が残っているため、それをベースにしている部分もあるが、お互いの言葉がわからない中で、双方の思惑が行き違っていくところや、生番の部落の人たちの笛や歌を使った男女の交流が描かれる部分など、単に歴史を辿っただけではない厚みがある。 ちなみにこの事件を機に当時の明治政府は台湾出兵、琉球の日本領化、台湾領有と進んでいく。
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