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堀辰雄 ちくま日本文学全集028
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堀辰雄 ちくま日本文学全集028

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堀辰雄 ちくま日本文学全集028

1,068

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 1992/03/01
JAN 9784480102287

堀辰雄

¥1,068

商品レビュー

4

6件のお客様レビュー

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2024/03/28

図書館本。一番最初に読んだ堀辰雄だったと記憶している。主だった作品を一気に読むことが出来るので、入門には最適だったと思う。お陰で今では最愛の作家のひとりになっている。

Posted by ブクログ

2017/10/29

ちくま日本文学全集028。 読み終わりました。 この人の才能はまぎれもないです。 「麦藁帽子」とか「燃ゆる頬」とかのひとつ間違えれば鼻持ちならないナルシスティックなテーマを、ある種の感慨をもって読ませることできるのは、この人の厳しく怜悧な創作姿勢によるものだと思われます。作品の...

ちくま日本文学全集028。 読み終わりました。 この人の才能はまぎれもないです。 「麦藁帽子」とか「燃ゆる頬」とかのひとつ間違えれば鼻持ちならないナルシスティックなテーマを、ある種の感慨をもって読ませることできるのは、この人の厳しく怜悧な創作姿勢によるものだと思われます。作品のテーマからすると不思議ですが、読んでいるうちに自然と居住まいを正させられる、そういう力がこれら作品にはあります。 そして実体験に近いところで書かれたと思われる「風立ちぬ」の冒頭部分。 ここではひとつの情感の典型を描ききって、さらには作品全体の象徴ともなっていて、もうこんなふうには誰も書けないだろうなと思わせるぐらい見事です。 序曲  それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木陰に身を横たえていたものだった。そうして夕方になって、お前が仕事をすませて私のそばに来ると、それからしばらく私達は肩に手をかけ合ったまま、遙か彼方の、縁だけ茜色を帯びた入道雲のむくむくした塊りに覆われている地平線の方を眺めやっていたものだった。ようやく暮れようとしかけているその地平線から、反対に何物かが生まれて来つつあるかのように……  そんな日のある午後、(それはもう秋近い日だった)私達はお前の描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木陰に寝そべって果物を囓じっていた。砂のような雲が空をさらさら流れていた。そのとき不意に、どこからともなく風が立った。私達の頭の上では、木の葉の間からちらっと覗いている藍色が伸びたり縮んだりした。それとほとんど同時に、草むらの中に何かがばったりと倒れる物音を私達は耳にした。それは私達がそこに置きっぱなしにしてあって絵が、画架と共に、倒れた音らしかった。すぐ立ち上がっていこうとするお前を、私は、いまの一瞬の何物をも失うまいとするかのように無理に引き留めて、私のそばから離さないでいた。お前は私のするがままにさせていた。   風立ちぬ、いざ生きめやも。  ふと口を衝いて出て来たそんな詩句を、私は私に靠れているお前の肩に手をかけながら、口の裡で繰り返していた。それからやっとお前は私を振りほどいて立ち上がって行った。まだよく乾いてはいなかったカンヴァスは、その間に、一めんに草の葉をこびつかせてしまっていた。それを再び画架に立て直し、パレット・ナイフでそんな草の葉を除りにくそうにしながら、 「まあ! こんなところを、もしお父様にでも見つかったら……」  お前は私の方をふり向いて、なんだか曖昧な微笑をした。(p150-152)       この部分はさらに、作品の主題の提示であり、また重要な伏線ともなっています。 ただやはり私は、「姥捨」や「曠野」のような物語性の強い作品を好みます。そしてこれらの作品もまた見事。「幼年時代」や「花を持てる女」などのように自己の来歴をウダウダ書くより、こんなのを書けばいいのにもったいないなあと考える私は、どうもこの作者とは縁遠いようです。 次は中勘助。中勘助といえば「銀の匙」。 う~ん。どうなんだろ。なんだかインディ系(?)が続くなあ。

Posted by ブクログ

2011/05/16

鳥料理 / ルウベンスの偽画 / 麦藁帽子 / 燃ゆる頬 / 恢復期(かいふくき) / 風立ちぬ / 幼年時代 / 花を持てる女 / 姨捨 / 曠野(あらの) / 樹下 『燃ゆる頬』目当て。 『燃ゆる頬』は、フロイトの恋愛対象の変遷(?)をなぞったようなお話。妖しげな雰囲気が漂...

鳥料理 / ルウベンスの偽画 / 麦藁帽子 / 燃ゆる頬 / 恢復期(かいふくき) / 風立ちぬ / 幼年時代 / 花を持てる女 / 姨捨 / 曠野(あらの) / 樹下 『燃ゆる頬』目当て。 『燃ゆる頬』は、フロイトの恋愛対象の変遷(?)をなぞったようなお話。妖しげな雰囲気が漂う文がとても良かった。私の好みでした。 順番通りに読んだので『鳥料理』をはじめに読んだのですが、描写がきれいで「うおぉぉ……!」と勝手に感動していました。比喩が好きです。喩えに画家を持ってくるとか。 引用文は『風立ちぬ』より。

Posted by ブクログ

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