芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

澤西祐典(訳者), 柴田元幸(訳者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2018/11/22
• JAN: 9784000613040

商品レビュー

2024/06/24

愛する芥川は、
外国語文学を学んでいて、大学英文科教授を選ばず、執筆を選んだと知った。
しかも、アリスを訳していた。
読みたい
芥川は、私と同じくかなりの速読で
出かけるときは本を持参して、早く読み終わると
借りてまで読んだらしい。
なんだか、身近に感じるが、
10代のあの頃、受験のために読んだのに、
この人の文は、どこか統合失調だ、と思った。
初期の頃には、それはなかった。訳したものだしな。
何か見えたり、聞こえたりがあって
かなり苦しんでいると感じていた。
今心理学を学んでみて
そうだったんだと確信している。

2024/03/17

ワイルド,ビアス,ポーといった名だたる作家の短編の面白さはもとより
「月明かりの道」から「藪の中」
「The Critics」に「MENSURA ZOILI」
と手元に芥川の本を用意して
その繋がりを思いながらの乱読が凄く楽しい
特に好きなのは
「月明かりの道」ビアス
「林檎」ウェルズ
あとはやはり芥川龍之介が訳したとされる「アリス物語」の一部
各編冒頭の澤西さんによる解説も興味深いです

2023/12/04

大正13〜14年（1924〜25）に編纂された旧制高校のための英語読本全8巻。芥川龍之介がそのような編纂の仕事をした事があったとは知りませんでした。その中から怪異•幻想譚を精選し、新訳でまとめたのが本書です。オスカー•ワイルドやH•Gウェルズなど、現代でも名前を知られた人もいれば、全く顧られることのない人もいます。私は芥川龍之介の代表作を"いくつか読んだ"程度の知識しかないので、"この作品があの著作にインスピレーションを与えた"というような解説がついているのがありがたかったですね。

それにしても、全8巻のうち2冊を幽霊•怪奇小説で固めたってのが、芥川龍之介らしいエピソードですよね。そんな仕事であっても怪奇趣味全開。好き（笑）