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幸福の増税論 財政はだれのために 岩波新書1747
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幸福の増税論 財政はだれのために 岩波新書1747

井手英策(著者)

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幸福の増税論 財政はだれのために 岩波新書1747

924

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2018/11/20
JAN 9784004317470

幸福の増税論

¥924

商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2024/08/27

慶應の経済の先生はどうして増税論者ばかりなのだろうか? “誤解しないでほしい。僕は,財政破綻の恐怖をあおり,人びとをおののかせることで,増税をせまる「財政再建至上主義者」ではない。僕が語るのは,財政がすべての命とくらしを保障する社会,そのための痛みの分かちあいをよしとする人間た...

慶應の経済の先生はどうして増税論者ばかりなのだろうか? “誤解しないでほしい。僕は,財政破綻の恐怖をあおり,人びとをおののかせることで,増税をせまる「財政再建至上主義者」ではない。僕が語るのは,財政がすべての命とくらしを保障する社会,そのための痛みの分かちあいをよしとする人間たちの未来だ。(p.iii)” 良さげなことを書いていそうではあるが,結局は増税だ。増税は好況時にすればいい。中学公民の基本レベルのことをなぜ行わないのかがそもそもの問題ではないか。 痛みを分かち合える余裕がない。ギリギリ頑張っていたら「ゾンビ企業」と言われる。ゾンビ企業の減らすことは,ゾンビ企業に融資しないことでも実現するが,好況にすればゾンビ企業はゾンビ企業でなくなるから結果的にゾンビ企業は減る。 この著者は良いことを言っていると思うところもある。しかし,手段には全く賛同できない。 *****  問題を解決するにはお金がいる。であればなぜ,国を大切に思うみなさんは,国家の経済活動である「財政」のあるべき姿を語ろうとしないのだろう。  格差の大きな国。雇用の不安定な国。障がいのある人を放ったらかしにする国。そんなくたびれた国を,みなさんは子どもたちに残したいとはけっして思わないはずだ。(p.ii)

Posted by ブクログ

2024/05/24

本書に考えさせられた記述が多々。 一つは、「働かざるもの、食うべからず」の価値観。我々は生活保護受給者を快く思わないが、それは不正受給への疑念もあるが、根底には、真面目に働く自分がバカみたいに見えたり、支給に対して感謝されるような実感がないからではないか。しかし、これは保険のよ...

本書に考えさせられた記述が多々。 一つは、「働かざるもの、食うべからず」の価値観。我々は生活保護受給者を快く思わないが、それは不正受給への疑念もあるが、根底には、真面目に働く自分がバカみたいに見えたり、支給に対して感謝されるような実感がないからではないか。しかし、これは保険のようなもので、本当に困ればお互い様、と考えても良さそうなものだ。 こうした価値観を補強するように日本には、勤労の義務と生存権がある。通常は、これらを両立させる必要があるが、前記は生存権のみの主張だ。ソ連の憲法の中にも、働かざるもの、食うべからずの原則に従った義務と言う記載があったという。ここでの「働かざるもの」とはレーニンによれば、金持ちと怠ける者のこと。しかし、日本人の感覚では金持ちを「働かざるもの」には含まないだろう。考えさせられた。 租税負担率が上がり、社会主義化してしまうと、労働の意欲が減退すると信じてきたが、むしろ頑健な保障の場があることで、思い切ったチャレンジができるようになるのではないだろうか、というのが著者。実際、どうだろうか。人間には、マウントを取りたいから頑張るという思考が少なからず、そして残念ながら、存在する。この点では、既に失敗した国もあったと思うが。 人間は、誰かにみせびらかすために消費を行う。いわゆる顕示的消費である。世の中は、顕示的行為で溢れているが、もはや本能行動に近い。金ではなく、別の基準で価値観を切り替えられるなら、「幸福の増税論」もあり得るかもしれないが。

Posted by ブクログ

2023/06/09

日本人の多くが生活不安を抱えており格差が拡大しているが,日本人の痛税感による租税抵抗(増税の忌避)により対応策を講じれないどころか,勤労と倹約の美徳により日本は自助努力が前提の社会になっている。そうした現状認識のもとで著者なりの改革を提案した本。 受益があることを明示したうえで...

日本人の多くが生活不安を抱えており格差が拡大しているが,日本人の痛税感による租税抵抗(増税の忌避)により対応策を講じれないどころか,勤労と倹約の美徳により日本は自助努力が前提の社会になっている。そうした現状認識のもとで著者なりの改革を提案した本。 受益があることを明示したうえでの増税の提案となっている。消費税を軸とした増税による財源の確保で医療や子育てや教育等の自己負担をなくすというベーシック・サービスが提起されていた。批判や起こりうる反論に対しては説得を試みている。「政府が信じられないから増税に反対するのはよい。だが,その拒絶によって,この社会がいったいどのようによくなるのだろうか」(166ページ)が印象的だった。 著者の主張は日本人に対してどこまで説得力を持つのかが気になるところ。昨今の防衛費や少子化対策の財源に関する議論や世論をみると,まだまだ日本人の租税抵抗は強いように思う。 日本人の租税抵抗が今後どうなるのか気にしていきたい。

Posted by ブクログ

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