人身御供論 ちくま学芸文庫

高木敏雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2018/11/08
• JAN: 9784480098962

商品レビュー

2020/10/25

　著者の高木敏雄は、柳田國男と同じ時代に、日本の民俗学の夜明けを形成した学者の一人であるらしい。本書には数編の文章が収められている。
　柳田國男のような文学趣味の文体は無いが、日本と他国の神話・童話・民話を比較する視点がなかなか面白い。特に浦島太郎や桃太郎についての考究は楽しかった。
　ただし表題の「人身御供論」はややつまらなかった。日本の古代において人身御供があったとする説が民間伝承の物語に依拠する点について批判し、だから人身御供の習慣があった、と結論することはできないと主張する。もっとも人身御供のあった可能性を否定してはいないので、結局のところどうなのかということは、本書からは得られない。

2019/04/02

第１部　人身御供論（人身御供論；早太郎童話論考）
第２部　人狼伝説の痕跡（魔除の酒；人狼伝説の痕跡；牛の神話伝説；日本古代の山岳説話；西行法師閉口歌；住居研究の三方面）
第３部　日本童話考（日本童話考；羽衣伝説の研究；浦島伝説の研究；英雄伝説桃太郎新論）

著者：高木敏雄(1876-1922、熊本県、民俗学)
解説：山田仁史(1972-、仙台市、文化人類学)

2018/11/15

人身御供をテーマにした論考集。
著者は人身御供の実在に懐疑的な立場から様々な論を展開しているが、こうなって来ると実在派の論考も読んでみたいところ。