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神学提要 知泉学術叢書5
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神学提要 知泉学術叢書5

トマス・アクィナス(著者), 山口隆介(訳者)

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神学提要 知泉学術叢書5

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 知泉書館
発売年月日 2018/10/24
JAN 9784862852830

神学提要

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2026/02/02

 トマス・アクィナスは膨大な著作を残した。とりわけ『神学大全』は邦訳にして45巻に及び、中世哲学を代表する古典と見做されている。しかし同時にそれの六倍に及ぶ著作群が知られており、『神学大全』にほぼ匹敵する分量を成す聖書註解が近年刊行されつつある。中世哲学や神学を学ぶ人にとって『神...

 トマス・アクィナスは膨大な著作を残した。とりわけ『神学大全』は邦訳にして45巻に及び、中世哲学を代表する古典と見做されている。しかし同時にそれの六倍に及ぶ著作群が知られており、『神学大全』にほぼ匹敵する分量を成す聖書註解が近年刊行されつつある。中世哲学や神学を学ぶ人にとって『神学大全』は偉大な高峰であるが、その叙述は中世の討論形式を反映させてそれを簡潔にしたものであり、的を絞った少数の鋭い問へと凝縮された模擬討論の観を呈している。さらにその『神学大全』の簡略版として親しまれてきたのが、本書『神学提要』である。エンキリディオンとは「手の内に携えるもの」「掌に入るもの」という意味を持ち、ハンドブックのことである。この書名はエピクテトスの『提要』を思わせ、入門者にとってアウグスティヌスの『キリスト教の教え』とともに親しまれてきた。満を持しての邦訳と言えよう。  本書は討論や註解が主な中世哲学の文献には珍しく、後のカテキズムを彷彿とさせる体系的でかつ現代にも通ずる直截的な叙述に特徴がある。『神学大全』が膨大な数の問と項とから成るのに対し、本書は問に対して異論と反対異論を列挙する討論形式ではなく、問いを直截に取り上げて説明を加えていくのである。しかし、そこには紋切り型の決まりきった回答を予想しては読み過ごしてしまう洞察が、そこここにちりばめられている。『神学大全』と相前後して書かれた本書は、未完に終わってしまった『神学大全』第三部のキリスト論に書かれるはずであった内容を含んでおり、何が書かれるべきであったかを予想させるものである。とはいえ本書も、信仰・希望・愛を扱うはずであったのに希望について書き始めたところで記述が途絶し、こちらもまた未完であることが示唆されている。しかし虚心坦懐に読み進めると、むしろ『神学大全』と本書『神学提要』は相補うものであることが理解できるであろう。というのも本書は、前半でキリスト教信仰の根幹にある使徒信条を取り上げ、後半にかけてキリストの生涯を扱っているからである。  本書は『神学大全』の要約として親しまれてきたことからも明らかなように『神学大全』と並行する箇所があり、注においてそのことが逐一指示されているので、より広い文脈で問の内実を確かめたい読者に詳しい地図を与えてくれるものである。扱っている問題群は神学的であるものの、常にアリストテレス哲学と突き合わせながらあくまで理性的に問を突き詰め、その上で教義上の異端説の問題点を理性的に解明するものなので、読者は中世神学ないし中世哲学の雛形を見出すことができよう。翻訳の方針として、本書は原文にある省略をできるだけ補い、明示し、読者が迷わない配慮がなされている。本文そのものの教育的内容と相まって、中世哲学の精華に触れることのできる一冊となっているのである。解説においても示唆されているように、「神と人間」の関わりについて、未だなお現代に通用するキリスト教の根本的な思想を明示してくれる一冊としてお勧めしたい。もちろん本書には、今の時代からすれば見逃せない時代的制約はあるかもしれないが、彼が抱いていた神と人間の関係は、今なお生き続けるキリスト教思想の根本を明らかにするものである。

Posted by ブクログ

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