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漫画版 日本の歴史(01) 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代 角川文庫
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漫画版 日本の歴史(01) 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代 角川文庫

山本博文

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漫画版 日本の歴史(01) 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2018/10/24
JAN 9784041071175

漫画版 日本の歴史(01)

¥660

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2018/11/19

1960年代から、漫画版日本の歴史は繰り返し作られて来た。2015年に単行本化されたこれは、おそらくその最新版である。文献資料が無くて、その話をどう持っていくのか、最もむつかしいのが第一巻だろう。よって、シリーズを占う意味でも、この巻は大切だ。 結果は、いいところと悪いところが...

1960年代から、漫画版日本の歴史は繰り返し作られて来た。2015年に単行本化されたこれは、おそらくその最新版である。文献資料が無くて、その話をどう持っていくのか、最もむつかしいのが第一巻だろう。よって、シリーズを占う意味でも、この巻は大切だ。 結果は、いいところと悪いところがあった。いいところは、テーマ設定だ。プロローグ、ユーラシア大陸から日本に渡ってくる旧石器人が言う「これから先、流れに身を任せるだけでは、生きいくことはむつかしいぞ。知恵を得るんだ。そして自分の頭で考えろ」の言葉から始まり、縄文人が言う「このままじゃ、ダメだ。何か考えないと」そして古墳時代の物部旅人は考える。「その道は間違っていないか。そんなことはわからない。それでも、それだからこそ、学ぼう。まだまだこれからだ」‥‥これらテーマは、あるべき歴史への態度そのもの。秀逸である。 しかし、だからこそ、この中にある歴史観は、或いは細かな歴史描写は、残念だった。 (1)弥生時代になって、戦争に次ぐ戦争の描写に終始する描き方は、歴史は戦争でしか動かないと思っている証左である。実際は、他の契機で歴史は動いたのだと、私は思っている。大和政権が、有力諸国の連合政権だったというのが、現代のほぼ定説だ。その過程を描くことを無視している。 (2)邪馬台国が近畿説に傾いていることを、東京大学でありながら、なんとかコラムで認めていた。その態度や良し。しかし何の説明も無く、縄文時代の舞台設定を2500年前と書いていた。場所が何処とも書いていなく、これだと諸説ある縄文時代の終わり(3000年前や2800年前)を読者に誤らせる結果となる。 (3)魏志倭人伝の説明で、『卑弥呼は「鬼道につかえる人」と呼ばれ、神のお告げを受け、未来を予言する存在であった』と説明している。その様に「呼ばれた」わけではない。「鬼道に仕えた」と説明されただけだ。これは文献解釈の問題ではなく、表現力が稚拙だと言うことだ。 (4)「6世紀朝鮮半島。大和政権が支配している伽耶地域」「朝鮮半島の一部を安定的に支配していくことになる」この説明は、事実ではない。「支配」はしていない。任那日本府はなかった。山本教授も、伽耶地域に前方後円墳があることを書いて(実際は百済地域にもある)、あたかもそうであるかのように援護射撃しているが、単に古墳時代が終わる頃に伽耶の人々が作り方を真似ただけで、支配の証拠にはならないことは最近の定説である。今だにこんなことを書いているのは、昔の書物をそのまま援用しているからだろう。 私は小学生の頃、「漫画版日本の歴史」によって、歴史への目を開いた。だから余計に残念だ。 2018年11月読了

Posted by ブクログ

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