商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2018/09/22 |
JAN | 9784000229418 |
- 書籍
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洪水の年(下)
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洪水の年(下)
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上下巻読了。 シスターフッドは、アトウッドがしばしば描くテーマだが、これも希望の見出せない状況の中、助け合う女性たちの姿を描く。 クレイクが起こした人類を滅亡させるほどの疫病(=「洪水」)の前後の物語。 『オリクスとクレイク』にもちょっと出てきた「神の庭師たち」という宗教団体に...
上下巻読了。 シスターフッドは、アトウッドがしばしば描くテーマだが、これも希望の見出せない状況の中、助け合う女性たちの姿を描く。 クレイクが起こした人類を滅亡させるほどの疫病(=「洪水」)の前後の物語。 『オリクスとクレイク』にもちょっと出てきた「神の庭師たち」という宗教団体にいたトビー(20~30代)とレン(10~20代)という二人の女性を中心に物語が展開する。レンの親友アマンダも。 ヘルスワイザーがらみの陰謀で両親を失ったトビーは、汚水沼と呼ばれるヘーミン地で、初めは髪を、次には卵子を売ったが、細菌感染し卵子が売れなくなった。そこでシークレットバーガー(得体の知れない肉を挽いてハンバーガーにして売る店)の売り子となる。その店のマネジャーのブランコという男に奴隷のように扱われて逃げ出したところ、匿ってくれたのが「神の庭師」だった。 レンの母はヘルスワイザーの研究者の妻だったが夫に不満で、教団とつながりがあったゼブと駆け落ちする。娘のレンを連れて。 ろくでもない男たちに虐げられる女たちの描写は辛いものの、作者が「神の庭師たち」や動物たちを楽しんで描いている感じが伝わる。 「神の庭師たち」が聖人としている人物(ダイアン・フォッシー、カレン」・シルクウッド、レイチェル・カーソン、ジャック・クストー、デイヴィッド・スズキなど)の人選も面白い。「神の庭師たち」の宗教哲学が、これらの人物で伝わるのが妙。 オリクスはあまり出てこないが、「グレン」だったころのクレイク、ジミーとのからみも、ゼブの存在も次作『マッドアダム』での展開を期待させる。
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実はこの本を読んでいたときは内容があんまりピンときていなかったんだが。 最近、世界情勢や環境問題について知る機会が増え、この本の意味するところが分かってきた気がする。 洪水は人間が引き起こしたが、その人間は数多ある生物の一種に過ぎない… 私たちは無意識に生態系のピラミッドの頂点...
実はこの本を読んでいたときは内容があんまりピンときていなかったんだが。 最近、世界情勢や環境問題について知る機会が増え、この本の意味するところが分かってきた気がする。 洪水は人間が引き起こしたが、その人間は数多ある生物の一種に過ぎない… 私たちは無意識に生態系のピラミッドの頂点に人間を置いてはいないか?または人間を中心に地球を捉えてはいないか? 地球の意に沿わない資本主義や過剰生産が廃退した時、それらは人間共々一掃され、新たな生命が生まれる。 そこに何を見るだろう?
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