十人の小さなインディアン 論創海外ミステリ

アガサ・クリスティ(著者), 渕上痩平(訳者)

• 販売会社／発売会社: 論創社
• 発売年月日: 2018/07/04
• JAN: 9784846017224

商品レビュー

2021/04/04

先日TVで見た「死との約束」、戯曲版は犯人が違うと聞いて手に取る。うん、これは戯曲版の方が好み。動機も納得できるし、こちらの方がよりその人物のらしさが際立つ。尋問シーンは冗長だなと思ったので（そのシーンほぼ寝落ち）、そこが省かれているのもすっきりしていてよい。「十人の小さなインディアン」は逆に小説版の方が好み。「ゼロ時間へ」は初めて知った作品だが、心理ミステリとでもいうのか、登場人物の心情の変化が見事に描かれてグイグイ来る。クリスティが戯曲家としても一流なのを示している。本人による舞台配置図や指示、実際の舞台写真、上演時の俳優リストも掲載、内容の濃い一冊。「ポアロとレガッタの謎」は小洒落た短編だった。
製本のミス？なのか最初の数ページが上にずれている。