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進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来 ハヤカワ文庫NF
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進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来 ハヤカワ文庫NF

マット・リドレー(著者), 大田直子(訳者), 鍛原多惠子(訳者), 柴田裕之(訳者), 吉田三知世(訳者)

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進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来 ハヤカワ文庫NF

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2018/06/06
JAN 9784150505240

進化は万能である

¥1,188

商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2025/07/07

450ページ余りの分厚い本なので、買ってしばらくは積読状態でしたが、自分の中で世界の見方が変わるような面白い一冊でした。 本書では、宇宙、生物、遺伝子など自然科学の分野にとどまらず、道徳、経済、政府なども含む16の分野(章)について、ユーモアや皮肉、はたまた挑発的言動も交えつつ...

450ページ余りの分厚い本なので、買ってしばらくは積読状態でしたが、自分の中で世界の見方が変わるような面白い一冊でした。 本書では、宇宙、生物、遺伝子など自然科学の分野にとどまらず、道徳、経済、政府なども含む16の分野(章)について、ユーモアや皮肉、はたまた挑発的言動も交えつつ、過去から現在にわたる進化の過程を論じていきます。 あらゆる分野における「進化」は、人間のデザインやトップダウンの企図によるものでなく、自然発生的かつボトムアップ的に漸進を続けてきた結果である、というのが著者の主張です。 一番インパクトがあったのは「宗教の進化」の章でした。 宗教的常識では神が人間を創造したことになっているのですが、「神は明らかに人間の創造物なのだ」という一文には、思わず膝を打ちました。 さらに、この章では「気候の神」として地球温暖化にまで話は及び、二酸化炭素を温暖化の原因として過大評価する傾向について、科学界の意見も交えながら、「過度に単純な原因を探し求めるのは宗教の特徴」と断じ、気候変動の主張が宗教に近づきつつある、とまで皮肉たっぷりに断じます。(賛否はあるでしょうが) ただ、著者は万物の進化から見える未来を楽観的に捉えているようです。 21世紀も悪いニュースの衝撃が幅を利かせているが、良いことも目に見えない形で進展する、という著者の主張に頷きながら、そう思うと世の中捨てたもんじゃないな、と希望が見えてきた気がします。 進化の力は偉大なり。

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2024/09/09

 進化は私たちの周りのいたるところで起こっている、というのが、本書における著者の主張である。  ところが、我々は、デザインや指図、企画立案を過度に重視し、進化をあまりに軽視している。そのため、「将軍が戦いに勝ち、政治家が国家を運営し、科学者が真理を発見し、芸術家が新しいジャンルを...

 進化は私たちの周りのいたるところで起こっている、というのが、本書における著者の主張である。  ところが、我々は、デザインや指図、企画立案を過度に重視し、進化をあまりに軽視している。そのため、「将軍が戦いに勝ち、政治家が国家を運営し、科学者が真理を発見し、芸術家が新しいジャンルを生み出し、発明家が画期的躍進をもたらし、教師が生徒の頭脳を形成し、哲学者が人々の思考を変え、聖職者が道徳を説き、ビジネスマンが企業を引っ張り、策謀家が危機を招き、神々が道徳を定めるように見えてしまう。」そのようなトップダウンで変わるのではない、内部から自然発生的に進化は起こるのだ、として、以下、宇宙、道徳、生物、遺伝子、文化、経済、テクノロジー、心、人格、教育、人口、リーダーシップ、政府、宗教、通貨、インターネットといった各分野について、具体的な例を通して詳しく説明される。  各テーマで取り上げられる例は興味深く、著者の主張に納得するところは多いが、指図や計画、規制を否定するがために自由放任が良し、と言っているように思われるところについて(変な形です上からコントロールしようとして、内発性を阻害するようなことはするな、ということを言いたいのだろうが)は、それはそれで行き過ぎにはならないか、そんなことも考えた。

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2023/10/21

マット・リドレーは好きなライターでありこちらの本も評判が良かったので購入。 なんだが、ちょっと扱う範囲が広範囲で、またなんとなくスカイフックというアイデアに固執している、もしくは自説の主張が強い、という印象で、期待していた感じとはちょっと違ったかな。 『進化は万能である-The ...

マット・リドレーは好きなライターでありこちらの本も評判が良かったので購入。 なんだが、ちょっと扱う範囲が広範囲で、またなんとなくスカイフックというアイデアに固執している、もしくは自説の主張が強い、という印象で、期待していた感じとはちょっと違ったかな。 『進化は万能である-The evolution of everything』、サブタイトルは「人類・テクノロジー・宇宙の未来」とあるのだからタイトルを見れば予想できたはずなのだが、『赤の女王』や『やわらかな遺伝子』の印象がつよく、生物学的な分析が読めるのかと思いこんでしまっていた。 本作品は16章で構成されており、それぞれで異なるものの進化を扱っている。 宇宙から始まり、道徳、生物と続き(このあたりはまだ良い)、後半はテクノロジー、政府、リーダーシップ、果てはインターネットへと続く。 広範囲なものを扱っているため必然的に一つ一つへの掘り下げは限定的であり、その点が自分の期待には沿わなかったのだが、マット・リドレーはタイトル通り“進化”というものの万能性を語りたかったのだと読み終えて納得した。進化はあらゆるところに見え、それは自然発生的で、効率性や改善などに向かい変化し続ける、その現象に面白みを感じたのだと考える。 その視点は、ありそうであまりない視点のような気がする。多くの人は当たり前に受け取り、“進化”という現象を広い分野で共通で発生している現象としては深く考えないのではないかな。 それを前提にいつか再読してみたいとも思うが、今は積読がたまっているので、後で。

Posted by ブクログ