商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
| 発売年月日 | 2018/04/16 |
| JAN | 9784863853102 |
- 書籍
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ちるとしふと
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ちるとしふと
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商品レビュー
5
4件のお客様レビュー
毎晩、少しずつ、大切に味わうように読んだ。 まさに「ちるとしふと」の世界。 あいたいとせつないを足して2で割れば つまりあなたはたいせつだった たった一雫の歌が胸に染み渡っていて、ぎゅっとなる。この本を開けば、いつでもその時の自分に必要な歌に出会える気がする。
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- ネタバレ
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読み終わって、ふうう、と息をつく。 これはもう、ドキドキものでした。 大人の女性向け恋愛マンガが好きな人にはたまらないでしょう。 「玄関のドアを開けば吹いてくる風のことです春というのは」 ―――何かがはじまりそうな淡い期待に満ちた歌から始まり、 「背伸びしてすべての窓にカーテンを掛けて始まるひとりの夜は」(『2番線ホーム』) 「おかえりと言う人のない毎日にまたひとつ増えてしまうぺんぎん」(『2番線ホーム』) 「存在をときどき確かめたくなって深夜ひとりで立つ自動ドア」(『2番線ホーム』) ―――一人暮らしの心細さ、さみしさを詠んだ歌のちょっと後に、 「ともだちであると確認した夜にうっかりキスを一度だけした」(『2番線ホーム』) の、急展開! 「なにひとつ揺れないキスをするような大人になると思わなかった」(『それはさておき』) 「「おひとり様ですか」に「はい」と明瞭に答える少し強くはなった」(『それはさておき』) 「ゆら、とすら揺れない心を前にして関係に名を欲しがっている」(『それはさておき』) ―――恋ではない、さりとて、友情とは言えない、微妙な距離の相手との関係。 ―――どうなるんだろう、と思う読者の心を見透かしたの如く、展開をはずしてくる。 「タブレットドライバはいつも不機嫌で慣れた手順でまずはなだめる」(『Ctrl+Z“アンドゥ”』) 「一本の髪のラインを引くために何度目だろうこのCtrl+Zは」(『Ctrl+Z“アンドゥ”』) 「オシャレ女子のヘアアレンジを描きながら寝起きのままだ髪も素肌も」(『Ctrl+Z“アンドゥ”』) ―――ここで主人公の職業が分かってくる。 パソコンでイラストを描くお仕事をしているみたい。 人間は恋だけしていきているわけじゃないもんね。 「息を吐く、息を吸う、席から立って、歯を磨く 人間であるため」(『Ctrl+Z“アンドゥ”』) ―――この歌、すき。 「すぐ消えてしまうのだろう さくら色した言葉だけくれる優しさ」(『かんたんだから』) 「桃を抱く手つきで崩されてしまう かんたんだから好きなんですか」(『かんたんだから』) ―――また、この主人公が隙があるというか、ダメダメ(そう)な相手に弱くてねえ。思わず、その恋やめとけ、と余計なことを口走りそうになる。 でも、そうなっちゃうんだよね、しょうがないよね。……と、それこそ恋愛マンガやドラマを見るように、共感を感じる。 この歌集の中には、日々の仕事と、恋愛と、主人公の日常が紡がれている。 チルトシフト(tilt-shift)は、カメラの交換レンズの一種で、実際の街の写真をまるでミニチュアのおもちゃのような写真に変身させる画像加工の名称、なのだそうだ。 創作というものもそうなのかもしれない。 現実をそのまま映し出すことはできず、創作者のフィルターを通して、加工され、私たちの前にぽんと差し出される。 それをまた読者のフィルターを通して解釈しているものだから、いくつものフィルターが掛かっていることになる。 私たちは世界をチルトシフトし、世界もまた私たちをチルトシフトしているのだろう。←チルトシフト言いたいだけ。
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短歌 CTRL+Z アンドゥ p.16 保存していないイラレと凍りつくわたし一瞬で失くす四時間 返歌 命令の1ビット(shift)しふとするだけで、コンピュータは凍りつく(tilt)ちると
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