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背中の地図 金時鐘詩集
2,750円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2018/04/27 |
| JAN | 9784309026794 |
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背中の地図 金時鐘詩集
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
金時鐘さんの詩集ですね。 金時鐘さん(1929年、朝鮮釜山市生まれ) 詩人、エッセイスト、作家。数々の賞を受賞されています。 この詩集は、東日本大震災の七周年に、『東日本大震災を改めて思い起こす小さな目覚し時計の役にでもなればと、』と、いう想いから出版されたものです。 ...
金時鐘さんの詩集ですね。 金時鐘さん(1929年、朝鮮釜山市生まれ) 詩人、エッセイスト、作家。数々の賞を受賞されています。 この詩集は、東日本大震災の七周年に、『東日本大震災を改めて思い起こす小さな目覚し時計の役にでもなればと、』と、いう想いから出版されたものです。 『また そして 春』 道だけが整えられた ひとけのない通りを歩いていった。 何かに引っかかった声のように 風が吹きっさらしの窓枠で鳴っていた。 小学校もいまだ立ちつくしたままで 校庭では入りまじった声が 剥き出しのピアノ線のようにこもっていた。 陰影はしぶきを上げて足許から舞い上がった。 すべてがうす墨の絵のように淡かった。 秋の名残の乾いた雑草も 閉ざしたままの家の門も いなくなった人たちの思いと共にあり 災禍をくぐり抜けた多くの顔は重なり合って透明で うすほんのり木々のあわいを染めては流れた。 すべてがすでに自然を象ってたたずんでいるのだ。 離散は散り敷き雪が舞った。 生きているからこそ目にする光景だ。 つい先だっての春のように年が変わり いなくなった村も丘も雪に埋もれ 思いは裸木そのままにそこにつっ立っている。 記憶もさぞずっしり雪の下で震えていることだろう 仮住まいの間仕切りにも明かりが点り 老夫婦の丸まった背も浮かび出るはずだ。 私は私で帰る当てのある家路につき 車窓を透かして浮かんでいる自分の顔を 見つめるともなく覗いているに違いない。 春だ、なんてつぶやきながら。 『猫』 ひと気はなくても 花は名もなく咲いていて 日差しは雨戸の木目をさらして照っていました。 今が季節だと主のない庭で雑草が勢いづき どこから迷いこんだか黒い猫が一匹 濡れ縁の真中で背を丸めて見つめていました。 村などまだ有りもしないかったその昔 山猫が主だったという相馬の森に いま光と見まがう白光が篠突いて 人も生き物も静寂の昔へ 返してしまっていたのでした。 もはや待つ人もいない町なかで それでも猫がそこのところにいたのはたぶん 気配が今もって縁側で あっためられていたからでありましょう。 思いのたけをそこに残して ひと山越えてあらかた散ってゆきました。 見えない棘はいまもあたり一面降り注いで 清水はそれでも変わらぬ昔をころばせていました。 居つけるはずもない日溜りにです。 いぶかしげにこちらをうかがって 何か用かと黒い猫が身構えていたのです。 思わせぶりな私を射すくめて。 全部で二十八篇の詩が収容されています。ご自分の戦時中の経験も絡めながら、眈々と詩情を語られています。 東日本大震災の面影を呼び覚ます詩編ですが、金時鐘さんは、ロマンあふれる感受性豊かな方ですね。 思いを共有出来る、静かな詩編に深く感慨を深めました(=^ェ^=)
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一読、他の作品との違いがわかる。 それまでの「在日」であることの詩でなく、「あの日」に対する詩だからだろうか。 どうしようもない憤りを感じる。 ●ノアの洪水を思わせた東日本大震災の地、東北・三陸海岸は、日本列島を形づくっている本州の背中に当たるところのように私には思える。振り返っ...
一読、他の作品との違いがわかる。 それまでの「在日」であることの詩でなく、「あの日」に対する詩だからだろうか。 どうしようもない憤りを感じる。 ●ノアの洪水を思わせた東日本大震災の地、東北・三陸海岸は、日本列島を形づくっている本州の背中に当たるところのように私には思える。振り返っても自分では見えない、運命の符丁が貼り付いているかのような背面だ。(序詞) ●そうとも、帰ってくる人はなくても日は暮れる。/私の背後で堰を超えた濁流が溢れ/沖合のどこかでか航路を失くした船が一隻/夜陰をついて喉をしぼっている。/遠吠えは尾を引いて/麓の森からも流れている。/道はまっすぐ海へ突き出て/行き着くまえに立ち消える。/その先が原子力発電所だ。(道の理由)
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