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馬たちよ、それでも光は無垢で 新潮文庫
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馬たちよ、それでも光は無垢で 新潮文庫

古川日出男(著者)

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馬たちよ、それでも光は無垢で 新潮文庫

440

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2018/02/28
JAN 9784101305363

馬たちよ、それでも光は無垢で

¥440

商品レビュー

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2019/05/28

古川日出男の声(文章)はすごくえぐられる。3.11の震災の話。 福島県出身だが福島を出た人間で被災を免れた人間。本来なら故郷の人たちと同じような思いをしているべきなのに…と心を痛めている。実際に被災した人よりも、強く心を痛めている。福島に入る。予想と違った現実がある。一見平穏そう...

古川日出男の声(文章)はすごくえぐられる。3.11の震災の話。 福島県出身だが福島を出た人間で被災を免れた人間。本来なら故郷の人たちと同じような思いをしているべきなのに…と心を痛めている。実際に被災した人よりも、強く心を痛めている。福島に入る。予想と違った現実がある。一見平穏そうだが、その裏にある非日常を読み取る。それは福島で生を受けた古川氏だからこそ読み取れる現状だ。 僅か155ページの中で濃密な思いが綴られる。僅かと書いたが、逆に155ページ以上だと気持ちが押されて恐らく読むことが耐えられないと思う。 東北を舞台として書かれた「聖家族」が随所に出てくる。聖家族は積読本になっているから読まねばと感じた。馬たちとは、相馬市とその歴史(古川氏の言うところの正史ではない)と馬の系統等を含んでいる総称ではないかと思った。また古川氏の作家としてのスタンス、それぞれの作品に込められた思い、成り立ちが理解できてますます氏の作品を読みたくなった。

Posted by ブクログ

2018/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2011年に単行本で読んだ時とは状況は変わったか? 変わらなかったのか?  小説というメディアのスピードはけっして速いものではなく、遅い。だからこそできることや伝わるものがある。という話を単行本が出たあとに古川さんと話をした。 今年になってようやく南相馬に行った、海岸線と常磐線の風景、かつての景色、僕が見ることのなかった日々のものたち。 歴史というものは正史で語られているもの、しかし、語られなかったものは確かにある。正史で残されているものはそのときの権力者のものだ、つまり勝者の。敗者のことは、都合の悪いものは残されない。では、偽史とは? 歴史で語られていないものへの想像力が現在の世界と向かい合う一つのものとなる。現実と創造は相反しない、小説家の古川日出男の前に『聖家族』の長男が現れることに違和感はない。そして、『聖家族』を読んでいなくてもこの作品は読める。 ドキュメントであり小説である。2018年の今、古川さんの作家20周年の年に文庫化されたことの意味、を思う。 県境や国境を越えていく、移動すること。過去も未来も現在も、空間や時間すらも。僕はそのことを古川さんの作品からいつも教えてもらっている。

Posted by ブクログ

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