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わが兄 チェーホフ
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わが兄 チェーホフ

ミハイル・チェーホフ(著者), 宮島綾子(訳者)

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わが兄 チェーホフ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東洋書店新社
発売年月日 2018/02/01
JAN 9784773420241

わが兄 チェーホフ

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2022/05/05

作家のアントン・チェーホフだが、アレクサンドルとニコライという2人の兄、弟のイワン、妹のマリア、更に末弟のミハイルと兄弟が多い。この兄弟達の中、末弟のミハイルが綴ったのが本書である。 長兄アレクサンドルや次兄ニコライがチェーホフ一家の家を離れて暮らすようになった後、両親の下でアン...

作家のアントン・チェーホフだが、アレクサンドルとニコライという2人の兄、弟のイワン、妹のマリア、更に末弟のミハイルと兄弟が多い。この兄弟達の中、末弟のミハイルが綴ったのが本書である。 長兄アレクサンドルや次兄ニコライがチェーホフ一家の家を離れて暮らすようになった後、両親の下でアントンが中心的になって行ったという。本書を綴ったミハイルはそういうような時期から、長じて以降も、家族として共に過ごした時間が多かった。そういう人にしか綴ることが出来ないと思えるような内容だった。 アントン・チェーホフ御本人は、小説や戯曲というような作品を多く遺している他、非常に多くの書簡が伝わっていることが知られている。本書はそういう御本人が綴ったようなモノを基礎とするようなモノでもなく、時系列に言行等を綴るという感でもない。「記録」ということでもなく、身近だった人物を巡る「想い出」を「御自身の目線」でかなり詳しく綴ったというようなモノになっていると思う。 「身近な家族の目線」で、「アントン・チェーホフ」が社会に出て行くまで、医学を学ぶ傍らに小説の執筆というような活動をすること、画家であった次兄ニコライと協働で雑誌に関わったこと、医者になって結局は文学活動を主体とするようになって行くこと、幾つかの戯曲が上演されて行くようになった時の様々なことというような「人生」が綴られる。更に「チェーホフ一家の人達と交流が在った様々な人達とのこと」が詳しい。簡明な文章を積み重ねて「アントンとミハイルの兄弟が歩んだ人生」が読む者の前に投影される感である。 アントン・チェーホフの晩年は、肺病を病んで少し様子が変わる。温暖な地域での療養を兼ねた生活を志向し、ヤルタに居を構えた。そしてオリガ・クニッペルと結婚し、他界してしまう。この時期に関して、ミハイルはアントンと離れて暮らしていて、「交流が在った様々な人達とのこと」というような要素は少ない。 少し興味深かったのは『サハリン島』を巡ることである。ミハイルは同じ家の直ぐ近くで休んでいたことから、連夜のようにアントンの土産話を聴いていたようだ。そういう旨も含め、アントンのサハリンへの旅に纏わる事項も纏められていた。 『サハリン島』の取材でチェーホフは非常に多くの人の話しを丹念に聴き込むことをしている。そして“社会”という問題意識を深めていたようだが、メーリホヴォで森も在る農場の屋敷に住んでいた時期等は、随分と社会活動を行っている。そういうような辺りも本書の少し興味深い内容だ。 実は、個人的にロシアの演劇を観ることが好きで、チェーホフ作品の上演を色々と観た経過が在る。加えて『サハリン島』の事績である。チェーホフは「好きな作家」として挙げたい人物なので、こういう「少し違う角度で語られる」というのが酷く面白い。

Posted by ブクログ

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