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維新と戦った男 大鳥圭介 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | 『死んでたまるか』改題書 |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/01/27 |
JAN | 9784101261720 |
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維新と戦った男 大鳥圭介
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維新と戦った男 大鳥圭介
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連戦連敗の軍人「大鳥圭介」 ―大鳥は実によく負けた(中略)ほとんどの戦いで 負けているーと本文中にあるが本人が自戒を込めて いるだけで、実際は五分五分で、大野・木古内など 道南では連勝して他者から称賛されているらしい 適塾から江川塾塾頭と洋学を学ぶ中で軍事的な著作 に触れて軍人と...
連戦連敗の軍人「大鳥圭介」 ―大鳥は実によく負けた(中略)ほとんどの戦いで 負けているーと本文中にあるが本人が自戒を込めて いるだけで、実際は五分五分で、大野・木古内など 道南では連勝して他者から称賛されているらしい 適塾から江川塾塾頭と洋学を学ぶ中で軍事的な著作 に触れて軍人となった、著作翻訳の流れで印刷物を 発行する必要に迫られて活版印刷を思い立ち、合金 活字を書物から日本で最初に自製して大鳥活字を世 に残した(印刷物のみ) 明治の偉人にはこういうところがあるよね(´・ω・`)
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主要視点人物が大鳥圭介となっている。幕末から明治の初め、「箱館の戦い」に至る旧幕府系の人達の物語である。 「箱館の戦い」に身を投じた様々な人達を取上げた小説等は多く在ると思う。色々なモノに触れて来たと思う。そういうモノの作中に大鳥圭介は色々と登場もしている。だが「大鳥圭介」を主要...
主要視点人物が大鳥圭介となっている。幕末から明治の初め、「箱館の戦い」に至る旧幕府系の人達の物語である。 「箱館の戦い」に身を投じた様々な人達を取上げた小説等は多く在ると思う。色々なモノに触れて来たと思う。そういうモノの作中に大鳥圭介は色々と登場もしている。だが「大鳥圭介」を主要視点人物とした作品は余り記憶が無い。そういう意味でも少し惹かれたのだった。 本作では、鳥羽伏見の戦いの後に、新政府側に対して抗戦を唱える人達が各々の行動を始めようとしていたような頃から物語が起こっている。 幕府の中でも「精兵」と呼び得る、当時のもっとも新しい理論に基づく、フランス人顧問団の指導も受けた<伝習隊>は、鳥羽伏見の戦いの後に大坂城から徳川慶喜が強引に江戸へ舞い戻った頃にも健在であった。大鳥圭介はこの伝習隊の指揮官であった。 可能な限り戦って、巧く“戦後処理”を進めることを思い描いた大鳥圭介であったが、関東で新政府側勢力と転戦し、やがて会津へ向かって会津で展開した戦いに身を投じていくことになる。そうした展開の合間に、大鳥圭介の来し方が振り返られ、戦いに身を投じる本人の「想い」に繋がるモノが語られる。 新政府側に対して抗戦を唱え、最後の戦いということになった「箱館」にまで行った人達の多くは、江戸時代を通じて代を重ねて一定以上の重い立場を占めていたというような人達ではない。それが「何?」、または「如何いうことなのか?」という問いが、本作の底流に流れていることのような気がした。 例えば大鳥圭介自身は、累代の幕臣ということではない。地方の医家の出であるが、学問を通じて取り立てられたという人物である。欧州からの新たな知識を紹介するような仕事を重ね、欧州の用兵理論のような事の紹介という辺りから伝習隊に参加し、自らも訓練に積極的に参加しながらその指揮官ということになった人物である。 作中の多くの人達は、大鳥圭介のように、それぞれの努力や獲得した知識を活かして自身の立場を造ろうとしてきたという人達である。「御家が…」の名目で「吾身だけが…」というだけで「本当に善いのか?」という「想い」に、彼らは突き動かされているのかもしれない。 或いはこういう作中の様子に触れる中、「現在の、我々が生きる時代の巷??」という「仄かな問い」というようなモノを感じないでもなかった。そういう辺りが、「箱館の戦い」に身を投じた様々な人達を取上げた小説等が長い間に随分色々と創られ続けている理由なのかもしれないとも思った。 本作の大鳥圭介は、多くの人達が知らなかった新知識を紹介すべく学ぶことで取り立てられるに至ったという大変に強い自負と同時に、共闘する様々な人達を認めて慮る謙虚さを持ち合わせていると思う。作中の、共闘する人達とのやり取り等は強い余韻を残すようなモノが在った。更に、大鳥圭介が指揮を執った戦いでは、実は余り勝っていないのだが、それでも生き残るという、或る意味での強運の持ち主かもしれない。 大鳥圭介達は、会津で「力及ばず…」という展開になった後は箱館に向かう。概ね本作の後半はこの箱館の戦いの経過等が非常に詳しい。或いは?本作を原案に映像作品を創るようなことになれば、多分「凄まじい…」という感じになるであろうと、頁を繰りながら思った。少し夢中になってしまった。 また、現在は函館の五稜郭に「箱館奉行所」の建物が再現されている。作中、大鳥圭介が属した箱館の陣営が本拠地にしていた場所である。自身にはその「箱館奉行所」を見学した経過も在る。作中の色々な描写に触れながら、訪ねて観た「箱館奉行所」の様子も少し思い出していた。 こういう“時代モノ”というのは、史上の人物をモデルとする作中の主要視点人物と対話するというのか、その生涯等を追体験してみるようなことで「で?生きている現在は?」というようなことを考える材料とするような性質のモノなのかもしれない。 今ここに、改めて「大鳥圭介」と出逢うことが叶ったというような感だ。本作は広く御薦めしたい。
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こんな風に生きた人も居たのかという発見のある小説。 負けに負けても、死んでたまるか、と自らの道を進み続ける主人公達の姿に胸熱くなる。 負けても生きてる。死んでたまるか、負けたままでたまるか、そんな気骨のある風に自身の魂を晒すことができる。久々に、背筋の伸びる思い。 『行けるところ...
こんな風に生きた人も居たのかという発見のある小説。 負けに負けても、死んでたまるか、と自らの道を進み続ける主人公達の姿に胸熱くなる。 負けても生きてる。死んでたまるか、負けたままでたまるか、そんな気骨のある風に自身の魂を晒すことができる。久々に、背筋の伸びる思い。 『行けるところまで行き、しかるべき場所で死ね。』 命を天に預けて生き切るという、明らかに極める生き方死に方即ち人生観に眼から鱗の清々しさを覚えた。
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